Gigantic

そういや、最近飲みに行ってないなあ、とふと思ったりしたのである。

正確には先月末にはちょっと街からは離れたちゃんこ鍋屋で嫌になるくらいビールだ日本酒だ焼酎だ、と飲んで食べたし、この間は我が家から徒歩1分の、最早我が家の第二の居間になりつつある「大吉」に行ってビール飲んだりウイスキー飲んだり、いつもの定番焼き鳥メニューを食べたりしたのである。ただ、繁華街で飲む、ということを最近していないなあ、としみじみ思ったのである。

私がよくDJをさせていただくクラブ(こういう言葉遣いは何か照れくさくて新鮮だ、クラブとかって)は繁華街にあるので月イチペースで繁華街に足を運ぶのではあるが、如何せん車で行っているので、全く酒は飲んでいない。随分遠くに来たものである。まあ物理的に家が遠くなってしまったのもあるのだが。

しかし、昔からそんなに毎週毎週繁華街に繰り出す、という感じのライフスタイルではなかったのでそんなに恋しい、とかそういう思いはないのであるが、こうやって人は歳を取ってひっそりと隠遁していくのかなあ、とふと思ってしまったのである。何か30を過ぎて、こうやって大人しく暮らし始め、となっていくとドンドン一気に盆栽育てたりし始めそうなくらい加速度がついてしまうのではないか、と。まだまだやんちゃな私であるが、意外にそんな日は近いのかも知れないなあ、とか思ってしまったのである。最近はウコンの力のおかげで悪酔いもさほどせず(この「さほど」がポイントなのだが)にいる私なので、誰か飲みに行かぬか繁華街に、老化防止のためにも、と思った次第である。あ、ただ安いところでお願いしたい。

というグダグダな感じなのでPixiesの「Surfer Rosa」を聴く。私が持っているCDは古いエディションなのでデビューミニアルバムも一緒に収録されているが、今回は「Surfer Rosa」のみについて語りたい気分なんだ。Steve Albiniプロデュースの出世作である。これがUKのインディチャートで1位になって一躍脚光を浴びたわけであるが、確かに今聴いても燃える。約20年前の作品なのに新鮮すぎる。曲は基本的にポップでフックのあるメロディアスなナンバーが大部分を占めるのに、それをドカドカのドラムスとジャキジャキの切り刻むようなギター、そして叫びまくるヴォーカルがズタズタにしていく様が痛快である。それでもしっかりと1曲1曲、混沌としただけでは終わらせない、構成力の高さも印象的である(ついでに得体の知れない不気味さも)。とにかく1曲1曲次はどうなっとるのか、とワクワクさせられるような、スリルに満ちた全14曲(内1曲は曲というか語りなのだが)。この後の作品も当然ながら最高すぎるのだが、やはりこれが極私的には一番心に迫る作品なのである。久々に聴いたがKim Deal(当時はMrs. John Murphyという名前だが)の声が若いなあ・・・。