We Have Reached An Official Verdict: Nobody Gives A Shit

今日2つ目。思えば2つ書くのも久々である、ってさっきのは本文1行だからな。

昨日のAOBA NU NOISEにお越しの皆様ありがとうございました、とお礼を書くのを忘れていたのである。何と言うか、こう、客に殺されるのではないか、というかDJブースに向って人の津波が、というのは実に初体験でございました。楽しかったです。あんなトンデモ曲連発してしまったのも多分初。

ところで私はあんまり新しいバンドとか新しい音楽とかに興味なさそうに思われているらしい昨今である。まあ、別にそう思われても仕方ないし、実際別に新しいから、と言う理由では全然聴かないし、何よりそう思われたところで別に痛くも痒くもないのだが、久々にガーン、と来た7インチがあった。

Love Is Allというスウェーデンのバンドのニューシングルにガーン、とやられてしまった。何でも元Girlfrendoらしい。いたなあ、Girlfrendo・・・。まだ私がレコード屋で働いている頃に京都のレーベルから物凄くキュートなイメージで日本盤がリリースされていて、当時のキュート好きな方々はこぞって買っていっていたように記憶している。私はあまり興味がなかったのだが、実はSpacemen 3の「Walking With Jesus」をカヴァーしていたり、ということもあったりして密かに一筋縄でいかない奴等やのう、と思った記憶がある。

でもまあ、別にそこら辺つながりでLove Is Allを聴いたわけではない。大体にしてアルバムも聴いていない。何故聴いたかと言えばThe Pastelsの「Nothing To Be Done」のカヴァーをしているのである!ガーン。

と盛り上がったところで別に・・・、という感じであろうが、私的興奮がマックスに達したのであった。89年の「Sittin' Pretty」というアルバムのオープニングを飾る泣きの名曲なのである。思えば10年くらい前にはTeenage Fanclubがシングルのカップリングでもカヴァーしていて、それも結構グッと来たのだが。

このLove Is Allのヴァージョンはちょいとテンポアップ、そしてごしゃっとした音質ながらも男女の掛け合いヴォーカルも見事に(女性叫び気味なのもまたなかなかよろしい)やっていて、実によろしい。そして何が私の心を打ったかと言えば、このバンドの持ち味(らしい)ちょいとディスコ的なリズム隊とサキソフォーンのフィーチャーがまた実にぴったりとフィットしていて、実に見事なのである。買ってきてすぐに10回くらいリピートで聴いたのなんていつ以来だろう、というくらいに興奮した。まあ、原曲をよく知っているし名曲だし、というのもあるかも知れないが、そこら辺も全てひっくるめて凄く心を打つ、泣ける7インチである。あ、カップリングのアルバム収録曲も結構面白かったのでちょっとアルバムが気になってきた、ということも付け加えておきたい。

しかしこういう風に興奮を覚えてしまうと、やっぱり音楽聴くのやめられないなあ、と思ったりしてしまう。まあ、これはあくまで私個人の話であるから、誰かにとっては同じように興奮を覚えることが、写真だったり、テレビだったり、ドライヴだったり、読書だったり、映画だったり、セックスだったり、酒だったり、スポーツだったりするのだろうが、私の中ではやはりダントツにこういう音楽に出会った瞬間なのだなあ、としみじみ感じた次第なのでここに記してみたくなったのであった。

ということでそれはそれとしてThe Locustの「New Erections」を聴く。サンディエゴの超高速超短ハードコアバンドの、ANTIからは2枚目となるアルバムである。いきなりであるが、問題作である。思えばGSLからのデビュー盤はぱかっとケース開けたら3"CD(所謂短冊CDシングルの大きさ)が入っていて爆笑&衝撃だったものだ。全20曲でそれくらいの長さに収まる、と解釈してもらえればどんぐらい極端なバンドかわかってもらえると思うのだが。ところが今作では何と4分台の曲までもが入っていたり、結構長めのナンバーまでもしっかりとやっているのだ(それでも全11曲23分なのだから、まあ充分極端と言えば極端なのだが)。しかしそれにより結構プログレッシヴな展開をぎゅっと短い曲の中に押し込んでやっていたのに、今作はちょっと長さができた分スケールアップしてしまい、めちゃくちゃなバカテクぶりを見せ付ける謎の狂おしいバンドアンサンブルが壮大なスケールで炸裂しているのだからマジで怖い。IpacecからリリースされたEPでも(今作に入っている曲も収録)その長くなったThe Locustの姿が軽く窺えたがまさかこんなことになるとは。とは言え、勿論変な音を出すシンセと叫びまくりのヴォーカルはしっかりと健在なのだから変わっていないと言えば変わってはいないのである。当然のように短い曲も畳み掛けてくるし。しかし同時に研ぎ澄まされ具合がハンパないので覚悟して聴くべき1枚。