Girl They Won't Believe In

何か頭が痛い。否、頭が痛いという表現では適切ではない。頭皮の一部が引っ張られている感覚、というか中から何かが突き上げていて頭皮の一部を破らんとしている感覚、というか。

角でも生えてくるのだろうか。そうしたら多分一角獣である。待てよ、角が生えたら何か不都合があるだろうか、と考えてみた。まず目立つ。まあ、それはしょうがないものとして甘んじて受け入れるしかないであろう。他には?帽子が被れなくなる、というのもあるがもともと帽子は被らないのでこれは良い。他には?パーカーなど被りものを脱ぎ着する際に服が破れたりしそうである。他には?眠る時に枕の位置を今よりももっと下の方、というか身体全体を下の方に持ってこないと壁にぶつかって安眠が妨げられそうであるし、寝相が悪かったりしたら壁に傷をつけそうだし、それよか怪我しそうである。他には?車に乗り込む際に細心の注意を払わないとぶつかってしまいそうである。他には?昔仙台にあったレコードギャラリー(一部の方には「ねねねネオサイケ」コーナーとか、「Industrial」コーナー札に描かれたEinsturzende Neubautenのトレードマークなどで御馴染みの狭い店)などで頑張ってレコード探す際にはCD棚にぶつかってさぞかし邪魔であろう。

では逆にメリットはないものだろうか。むかつく野郎を突くことができる、しかも事故、とか言い張ることができそうだ。他には?どのくらい角が延びるかによるのだが、徒競走の際にヘッドスライディングかませば、かなりの確率で好敵手(ライバル、とルビを振るのは人生ゲーム風)に勝つことができそうである。

と考え始めたら止まらなくなった。これは角が生えるよりも脳が溶け始めていることの方が心配だ。疲れているのか。ということでJoss Stoneの「Introducing...」を聴く。まだ十代の女性白人ソウルシンガーのサード(カヴァー集含めれば)である。CD屋でこういうのがストアプレイされていると、突然反応してしまうのである。昔はMacy Grayの「The Id」ジ・イドにも猛烈に反応した。さて、実はこれまで勿論彼女のことはノーマークで、ジャケは見たことありますよ、程度だったのだが、ピーター・バラカンさんもオススメなのか・・・。ということでまっさらな状態で聴いているのだが、まずは何より彼女の声が素晴らしい。若い時のAretha Franklinみたいだなあ、となんかどこかの紹介文みたいなことを真っ先に思い出したが、同時にDes'reeにも一瞬近いように思える。結構低めで時にハスキーになるのだが、その瞬間がゾクッと来る。何か今様のR&Bというか、それ系はちょっともうおっさんは聴くのが疲れるのだが、これくらいソウルマナーに従った、優しいメロディとタイトなビートで攻められると、意外に弱い私なのであった。そう、こういうソウルは好きなのである。そして何よりも打ち込みだと思っていたら実は生であったドラムの音の具合がまた面白く、そんなドラムの音で曲はスタートした日にはドキドキさせられるのである。Lauryn Hillが参加していたり、Commonが参加していたり、プロデュースはRaphael Saadiqだったり、と我が家にあるのが不似合いな感じでもあるのだが、それでもやっぱり、全ての文脈を無視して聴きこんでしまうのであった。