Are You Alright?

なーんか今日は朝から冴えず、勿論頭も冴えず、コーヒーをどんなに飲んでもあんまりパッとせず、という感じだったのだけれども。

職場の近くで気になっていた蕎麦屋に初めて入って昼食を取った際、単なるざる蕎麦を注文したにも関わらず小松菜のおひたしとか「サービスよ」という声と共に椎茸の天婦羅が出てきて、感動した。そして蕎麦も美味しかった。盛りも良かった。感動した。

そうしたら何かシャキッとしたのである。人間って凄く複雑でいつもこんがらがっている生き物だと思うのだけれども、ある時には本当に信じられないくらい単純なものなのである。こうなってくるとまだまだ人間止められないものである。

ってもしかしたら他の人は複雑なのだけど、私だけが強烈に単純なだけなのか。とか疑念を抱きつつLucinda Williamsの「West」を聴く。Hal Willnerプロデュースの新作である。私は彼女のことはあまり追いかけてきておらず、Rough Tradeからリリースされたアルバムくらいしか聴いていないのだが、今作は試聴してガツンと来たので即聴いている。基本的にカントリー寄りの方である。しかし今作では最早そこから逸脱して、深い音像の渋い音楽を聴かせてくれている。ただ、福島在住の我が友人であるこのNag3では御馴染みの戦争の親玉、というか風に吹かれて、というか歩くブートレッグシリーズ、というか、その彼が言うには快活な曲が欲しい、ということであった(ちなみに何故よくこのNag3には福島の彼のことが出てくるかと言うと、多分いまだに一番マメに連絡を取っているし、何よりもこういうアメリカンルーツ〜カントリー寄りの音楽の話は彼としかできないからなのである)。確かに母親とか叔母とかが亡くなってしまったらしいので、もしかしたらそこら辺の影響もあるのかも知れない。しかし、私としてはこの大らかに動くコードと訥々としたヴォーカルとか抑制の効いた演奏とかは凄く染みる。Bill FrisellとかJim Keltnerとか、そんな手堅い方々が手堅くやってるわけだから悪いわけないのである。また、彼女の声はどこか何か引っかかっているような、そういう声ではあるものの、どこか乾いていてそこら辺も凄く惹かれるのである。「Red Dirt Girl」Red Dirt Girl以降のEmmylou Harrisにも近い感じの、現代の白いゴスペル的な感触もあって傑作である。ちょっと前の作品とかを探訪する旅に出なければならないかも知れない、という危険な誘惑がまた・・・。