Up North

ということで、昨日のNag3に於ける予告通り、昨夜はスーパー銭湯に行ったのであった。まあ、なんかどうやら我が家では普通に水は出ていたようなのであるが、折角の機会なので、というか、もう行くことに決めたんで、ということで半ばドサクサに紛れて行ったようなものである。

大体スーパー銭湯なぞ行くのは2回目くらいなもので、まだまだスーパー銭湯慣れしていないのであるが、折角行ったわけであるから元を取ろう、全種類の風呂に入ってやろう、という無駄なやる気を持って臨んだわけである。

まあ、こんなにやる気があるなんて自分でも珍しいな、と思うくらいのものだったのだが、大きな誤算がそこにはあった。私は近眼なので眼鏡orコンタクトレンズが必需品であるが、当然ながら風呂に入る際には外す。それが敗因であった・・・。

様々な種類の風呂があれど、そこが何風呂なのか表示が読めないわけである。だから実験的に入ったら「スーパージェットバス」とかで濁流に巻き込まれて良いように弄ばれてしまったり、この風呂には座って入るのだな、と思い入ってみたら異常に深くて溺れかけたり、更には入ったら「水風呂」だった、等と1人でコントをやっているような体たらくで散々であった・・・。

結局一番無難な「気泡風呂」とかいうところで後半は大人しくしていたのであった、「水風呂」で冷え切った身体を温めるために。やはり人間、似合わぬやる気なぞ出してしまうとロクでもないもんだなあ、と更なる保守化への追い討ちを経験した一夜であった。

Catherine Howeの「What A Beautiful Place」を聴く。前々回のNag3で触れた謎のレーベル、Numero Groupのカタログを見ていたら、この彼女の幻のファーストがリリースされていたことに驚き、思わず入手して聴いている。思えば去年、30年ぶりくらいにアルバムを出した彼女であるが、今作はジャズピアニストのBobby Scottプロデュースで1970年くらいに録音されながらレーベル側のトラブルで全く陽の目を見ずに幻のレアアイテムと化していた作品である。この後の作品も昨年CD化されていたのだが、このアルバムはまさに発掘、という言葉が相応しい奇跡のリリースであろう。で、これがまたすんごく素晴らしいのである。とても美しいメロディで快活な調子もあり、オーケストラが随所に入ってくるような結構練られたアレンジに、彼女の伸びやかなヴォーカルが乗っかる、と言葉で表すと「ありがち」な音に思えてしまうかも知れないが、どこかColin Blunstoneの「One Year」一年間を思い出させる翳りが見える。最近見かけた言葉を使わせてもらえばスモーキーな感じ、とか言うのだろうか、そういう作品である。また別な言い方をすればオーケストラ的ポップスとUKフォークの出会い、みたいな、そういう感じであろうか。まあ、そういうたとえは置いておいて、まずは素直にこの作品が耳にできる悦びを味わいたいところである。