好きなら好きっ!

今朝テレビで天気予報を見ていて、そうかヴァレンタインデイではないですか、と思い出した。

否、ネットとかで「極上スウィーツ特集!」とか「今年のヴァレンタインは○○でキマリ!」みたいなのはよく目にしていたし、以前はPizzicato小西氏とMary'sのコラボチョコの話もしたし、でヴァレンタインが近い、ということは知っていたのだけれども、そうだよな、今日だよな、と己の認識のなさが思いやられる。

まあ、今更別に何がある、というわけでもないけれど、昔はもっと、別に何が起きるとか起きないとか別にしてワクワクしたものではないか。何か「日常」を打ち破る事柄が起きるような、そんな気がしていなかったか。そしてそれはもしかしたらヴァレンタインとは関係ないかも知れないけれども、そういう「日常」を打ち破る何かをドサクサに紛れていろいろなことに期待していなかったか。

むー、と今は「日常」の綻びをひいひい言いながら修繕している自分は思ったりするわけである。そうだ、何かないのか。それはチョコでなくても何でなくても、そうチョコでなくても(別にチョコチョコ言っていると何か凄く意識している人のように思えるが、まあ、もらえればもらいたいものだ。ただ、今ではヴァレンタイン云々、ということに関係なくチョコ好きなんで、という理由の方がでかくなっているのはどうしたものか。)、何か本当にないのか。

と思っていたら今日の夜から明日の朝まで我が地区は断水らしい。おお、まさに「日常」が打ち破られる出来事!!

ということで今日の夜はスーパー銭湯にでも行くような気がする。遠藤久美子の「夢ロケッツ」を聴く。99年の作品である。最近はあまりテレビでも見ないように思うが、お元気だろうか。このアルバムは実は凄く良いアルバムなので「カルト名盤」みたいになるのかな、とか思っていたら別に「カルト」という認識も「名盤」という認識も世の中にはないようである。そうか・・・。何よりも彼女の結構高めの声が良い。そして、決して上手ではないのだけれども、まっすぐな発声法でまっすぐに歌っている。最近の若い女性の歌はどうにもこうにも半端に色気出した感じの歌い方とか(例を挙げればつんくみたいな、って♂であるけれど)が凄く気になってしまってあまりのめりこめないのだが、こういうスコーン、という感じの歌い方は実に爽快である。また曲もポップなメロディを持った、出しゃばり過ぎないアレンジの楽曲ばかりで、My Little Loverとかを思い出すような風通しの良い音である。マイラバはあまり好みではない私ではあるが。しかしそれより何より私の心をくすぐるのはThe Go-Go'sの「We Got The Beat」の日本語カヴァーだったり、ギターがCharに鈴木茂エンクミ本人、という訳分からない豪華なナンバーだったり、吉田拓郎のカヴァーをdipをバックに演奏!という驚愕のナンバーだったり、というように要所要所で変にツボを押してくる、そういうところである。まあ、上記豪華ギタリストの曲は作曲が石井竜也だったり、という残念なこともあるのだが、dipがやってるナンバーは(ベースもヤマジ氏が弾いているけれども)唸りを上げるギターとか疾走感とか申し分なく楽しめるので、この1曲だけのためにdip好きが買ってもかまわないと思う。異常にどこでも安いし。まあ、そういう面のみならず、全体的に凄く聴きやすい、ガールズポップの名作なのである。