Oh Jim

この間までは、ほとんど寝ている間に夢なぞ見ない私であったのに、どういうことだろう、最近は怒涛のように夢を見るのだ。

しかも楽しい夢ならばまだ良いのだが、この3日間具合の悪い夢ばっかり見ている。車運転してたら地震にあったりとか、そういう感じのオンパレードなのである。

そして更に悪いことには目覚める時まで夢を見続けているのである。だからここ数日は爽快な目覚めを経験していない。ただでさえ寝起きの悪い私であるというのに、更に酷い目覚めなのだからどうしようもないわけである。だって、夢でぎゃーとかうわーとかやっていると目覚ましの音が遠くから聞こえてくるので、しっかりと寝た、という感触が全然ないわけである。

これはいったい何なんだろうか。夢の内容云々、に関しての分析は色々聞いたことはあるのだが、夢の見方に関しては聞いたことがない。要は疲れているのか。嗚呼やはり一週間くらいの湯治、もしくはカレーに没頭とか・・・。

といつもの逃避的傾向でまとめたところでLou Reedの「Berlin」を聴く。先日のigloo meetingで終演後に鳴り響いていたので、思わず帰宅してから聴いたら異常にハマってしまい、ここ最近は木村カエラMaher Shalal Hash Bazとコレばかりである、って明らかにこの羅列はおかしい。さて、このアルバムはサードソロアルバムで、一応コンセプトアルバムになっている。重い、暗い、と一般的に形容されがちであるが、うむ、確かにそうかも知れない。しかしどの曲も絶望的なまでに美しいメロディを持った名曲揃いである。まあ、ベルリンを舞台にした悲恋物語、ということだからそれは当然のことなのかも知れないけれども。ここでのLou ReedはVU時代よりも更にスポークン状態になった、というか呟きのようなヴォーカルを披露しており、それがまたストーリーテラー的な雰囲気を醸し出していて大変に良い。何かこう、車の中で聴いたりするとすごく落ち着くんだなあ、とか言ってはみるものの、これはあくまで極私的な意見だからあまりお気になさらぬよう。最近のLouさんのアルバムも凄く良いけれども、私はコレと「Metal Machine Music」Metal Machine Musicを結構愛聴しているな、と気づいた次第である。でもそれはちょっと極端な聴き方かもしれない、と今書きながら初めて思った。まあ、好きなのだからしょうがない。あとは「New York」New Yorkか。ちなみにこの「Berlin」、Brecker兄弟とかJack BruceとかSteve Winwoodとか何気に豪華ゲスト陣も参加しているアルバムなのだが、あくまでLouさんの存在感が圧倒的ではある。当然と言えば当然、そしてどの作品でもそれは同じと言えば同じなのだが。ところで、私はこの作品は日本盤で持っているのだけれども、ライナーではこのアルバムはホモセクシュアル的な三角関係と悲劇的な結末についての作品、というまとめ方がされている。なるほど、そういう解釈もあるのかなあ、とかぼんやり思っていたが、よく見れば今野雄二大先生が執筆なさっているのだった!!じゃあしょうがない!流石、の一言である。ところで今野先生のライナーに於ける頻出ワードは「デヴィッド・ボウイ」「ロクシー・ミュージック」「ブライアン・フェリィ」「マゾヒスティック」「ナルシスティック」「ホモセクシュアル」「トーキング・ヘッズ」だと思うのだがどうだろうか。「今野雄二学」とかあったら是非とも私はそれを研究したい。