Cloud 8

我が家から煎餅を1枚持ってきて、職場で食べた。しかしそれは普通の煎餅ではない。近所のスーパーの宝くじ売り場で年末スーパージャンボを買った際にもらった奴で、もらった当時はなかなかに縁起が良い感じじゃのう、と思っていた。それが今では、見るだけでも忌々しい。食ってしまえ、ということで食べたのだ。

嗚呼、宝くじも外したしなあ、と思いつつ新聞の番組欄を見ればワイドショーの欄には「星野新監督 金しかいらない」。おお!!そう、そのとおりだ。流石だなあ、星野仙一エレファントカシマシの名曲「デーデ」エレファント カシマシみたいではないか。そうだよな、かねもち、とかとりもち、とかちからもち、とかもちにも色々あるけれども、かねもちが一番強いよなあ。

とその潔さ、簡潔且つ真理をつくその鋭さに感心した次第である。

あ、金メダルのこと、もしかして・・・?

Frazier Chorusの「Ray」を聴く。今では覚えている方の方が少ないであろう、UKの超良質ポップユニットのセカンドアルバムである。4ADからデビュー→すぐにVirginに移籍→アルバム2枚でクビ→インディからソロ状態で1枚、という90年代初頭の地味なUKバンドにありがちな末路を辿った彼らではあるがこの作品はIan Broudieプロデュース、抜けるようなメロディと上品な音作りが非常に清々しい大傑作である。しかし余談ながらこの時期のVirginは鬼ように契約しては鬼のようにクビにしていたなあ、Something HappensとかThat Petrol EmotionとかWorld Of Twistとか。まあ、それは置いておいて、まず何よりもTimのヴォーカルの、男版Kahimi Karie状態とでも言える、「飯食ってるか?」と思わず問いたくなる激しくソフトなヴォーカルが耳に残る。そして91年という時代を反映した、バレアリックのりのダンサブルなビートが非常に心地よい。しかもよくありがちな付け焼刃的なビートの導入ではなく、生楽器の繊細なアンサンブルをまったく邪魔しない、よくこなれたビート具合で感動する。Ultramarineに近い透明感とThe Dream Academy、Prefab Sproutに近い歌心があるなあ、と16年くらい前の作品ながらも新鮮であった。ちなみに女性1人ふくむ3人組だったが、その唯一の女性メンバーKateはCreationからScuba名義で作品を出し、Alan McGeeと結婚、今はTechnique名義で活動中。男性メンバーの1人Chrisはこのアルバムの後、女性ヴォーカリストと一緒にEspirituを結成するもののすぐに脱退、中心メンバーのTimはFrazier Chorusの看板を守っていたが、今は何をしているのか・・・。ところでこのアルバムからのシングルはPaul OakenfoldやらChad Jacksonやらがリミックスしたりしていたのだが、当然ながらリアルタイムではスルーしてしまっていた、阿呆な私である。早いとこVINYLにでも行って探したいところだが・・・。見つけた方はご一報を。ちなみにこのアルバムはどこでも馬鹿みたいに安く買えるのでとっつきやすいと思います。悲しい話なのだけれども。