Fuck Forever

人間の「悲しい」という感情は、多分何らかの形で欠損が自分の中にできた、ということなのだと思う。で、多分悲しい人は何とかそれを埋めようとするわけである。

どうやら私は「食」でもって欠損を埋めようとする傾向があるみたいである。なんか食べてしまうんだよねえ・・・。今日も昼にラーメンにライスにギョーザなんて思いっきり食べてしまった。なんだ普通じゃん、と思う向きもあるかも知れないが、通常の私の昼食の2倍くらいのカロリー、量である。加えて今朝の朝食は事情があって朝マックである。何だ何だ大丈夫か自分と思ったが、昼食後に体重はかってみたら1週間前よりも減っているのだから人間の身体は不思議だ。

そういえば「セックス、ドラッグ、ロックンロール」という3種の神器があるわけだが、これらは多分悲しみでできた欠損を埋めるもの、という位置づけなのかも知れないなあ、とふと気づいた。しかし残念ながら私はセックスでもドラッグでもなく、「食、ロックンロール」で欠損を埋めようとする傾向があるみたいだ。悲しいことに。

昨日は畠山美由紀で限界だったが今日はBaby Shamblesの「Down In Albion」が欠損を埋めてくれている。実は私リリース当時はぜんぜん興味なくてですね、試聴してもぜんぜんピンと来なかったわけです、白状しますと。しかし昨年末のミニアルバム「The Blinding EP」The Blindingが物凄くツボにはまりまして。で、勢いあまってこのアルバムに手を出したのだが、今の私にはすごくスッと入ってくる音楽だったのでびっくりした。まあ、私はかなりマイペースに音楽を聴いているので、時期外れかも知れないが、今頃気に入るものがあったりするわけである。まあ、それは置いておいてこのアルバムであるが、全体的にユルい。若くて勢いがある、という感じはあまり受けず、なんか若いかも知れないし勢いもあるのかも知れないけど、やるせなさ、切なさ、やさぐれ感、が全体を覆っている。そこら辺に気づいたらもうこのアルバムの虜なわけである。Peteのヴォーカルも何か鼻歌みたいな感じだったり、勢いあまって訳分からん叫び声になっていたり、と破天荒であるが、このバンドのどっかバラバラになってしまいそうなアンサンブルとか、結構良いフレーズなのにどこか散漫だったりする良い意味でのダメさと見事にマッチしている。それでも印象的なフックは散りばめられ、全体的にポップなんだから大したものである。レゲー風のナンバーはどこかThe Clashを彷彿とさせるが、それは単にプロデュースがMick Jonesだ、というだけでなくこのバンド自体がThe Clashと近い雰囲気を持っているのかも知れないなあ、とか無理やりだけれども思ったりした。変にハイプっぽく盛り上げようとするメディア、とかそれに乗せられてロックの救世主だ、とかろくでなしの美学とか言っている連中には本当に閉口するが、そんなこととは関係なくこういう面白い音楽ってまだまだあるんだなあ、と思わせてくれる素敵な1枚である。