Greetings To The New Brunette

Harlem Shuffle Vol.2 2006.12.1.(Fri)@Club SHAFT (Sendai) 21:00〜 \2,000 ( 1 Drink )

●Guest DJ●
鳥井本英樹(SINDBAD)

DJs:tmym, tdsgk, Kenji Maesawa

club shaft::  http://www.clubshaft.com/
HIGHCONTRAST::  http://www.vividsound.co.jp/highcontrast/

よろしくです!

ここ最近Nag3のトーンが何か暗いのではないか、と自分で読み返して思ったりした。このままでは私という人間は日々ねちねちぐちぐちと暮らしている粘着質な人のように思われてしまうではないか。

実際そうなのであるが。

否、別にそうでもない。日々快活に生きているはずだ。昨日だって皮膚科に行ったし、あとは・・・、とくに何もしていなかったりする。あ、家でRock In Japan Fes.の特番を録画したのを見た。吉井和哉に感動、とかグループ魂は喋りが多く曲が少ないなあ、とか木村カエラは本当に可愛いのではないか、というか逞しいのではないか、とかウルフルズに泣いた、とかほら色々快活に生きているではないか。

そうでもないな。というか「生きる」ということで私は精一杯なのだと思う。それは別にその日暮らしである、とか(精神的にはそうなのだけれども)いう意味ではなく、生きるために生きているのである。だから、それだけで一杯になってしまって、何か無駄なことをしている余力がないのである。だから本当は仕事なんかしている場合ではないのだ。そんなことに力を注いでいたら「生きる」ことにまわす力が欠乏してしまうではないか。

まあ、そもそも「生きる」って何なのや、という疑問が生じてくるものであるが、それは例えば昨日、皮膚科の長い長い待ち時間の間にマルグリット・デュラスの『死の病 / アガタ』とかを読んで猛烈に全身の血が滾るほど興奮してガーと読んでいる瞬間とか、そういう瞬間には「生きる」「生きている」ということがどういうことなのか、何かわかる気がするものである。

何が何だか、何を言いたいのだか自分でもさっぱりなのだが、まあ、そういう瞬間には自分は「生きている」ということをほんの少しでも感じることができるはずである。しかしこの本、絶版なのか・・・。今まで読んだデュラス本の中でも1,2を争う位なのに。

Billy Braggの「Talking With The Taxman About Poetry」を聴いている時も私は「生きている」と感じることができる。86年のサードである、って今2枚組で再発されてんのか・・・。「ひとりクラッシュ」と称されることが多い、社会的・政治的な歌詞、姿勢でおなじみの彼であるが、そのスタイルはこのアルバムで完成を見たように思える。基本的には彼の歌とエレクトリック・ギターがメインである。たまに何か楽器がちょろっと入ったり、Johnny Marrが参加していたり、Kirsty MacCollが参加していたり、ということはあるのだが。しかし彼の政治的な姿勢、というのはあくまで歌詞を読む限り、もっと個人の世界の範疇内で捉えられた、つまり身近なものであって決して「世界を云々」ということではない。恋愛に絡んでくる政治の世界だったり、とごくごく手が届く範囲からの視点でズバッとユーモアを交えて斬っているのである。だからこそ面白い、というか浮っついた感じが微塵もないのであろう。加えて、曲はもう普通にシンガロングしてしまえるような明快かつメロディアスなものであり、非常に親しみやすい。この曲の良さは後のバンドスタイル作品などでもくっきりと現れているが、このギター1本メインのアルバムでも十分に感じ取れるし、あくまでロックンロールなのである。Wilcoとの共演作以来あまり話題を聞かないが、今も変わらずやってくれているだろうなあ、と不思議に安心してしまえるような存在が彼なのである。