あめまち

Harlem Shuffle Vol.2 2006.12.1.(Fri)@Club SHAFT (Sendai) 21:00〜 \2,000 ( 1 Drink )

●Guest DJ●
鳥井本英樹(SINDBAD)

DJs:tmym, tdsgk, Kenji Maesawa

club shaft::  http://www.clubshaft.com/
HIGHCONTRAST::  http://www.vividsound.co.jp/highcontrast/

よろしくです!

最近よく行くそば屋がある。しかし、その店が謎なのである。

まず看板に立ち食いそば、と書いてあるのだが、完全に椅子がある。立錐の余地はない、という表現は間違いだと思うが、少なくとも「立ち食い」はできなさそうに思われる。

そして麺がうどん、そば、中華そば、と選べるのだが当然のことながらつゆは全く同じである。故に中華そばにすると、どこに基準を置いて味わったら良いのか、私のような保守的な人間にはいまいちわからないのである。

とまあ、マイナスな所を挙げてみたが、大好きなのである、この店が。上記の謎をひっくるめて全部愛に変わった、というか何と言うか。朝10時半くらいからやっているのも良いし、1人でやっているおばちゃんがフレンドリーなのも良い。何だかんだ言って、まだ中華そばはどのように解釈したら良いかわからないけれども(何せ天かすとネギが乗っかってる日本そばのつゆに中華そばの麺が入っているのだから)、結局は美味しい。そして安い。また、別注でおにぎりを頼むこともできるけれども、それがまた半端なく大きくて、まず手で持って食べることは不可能、というリアル俵おにぎりである。これがまた美味しい。

しかし何よりも、このようなお店が、住宅地の真ん中でひっそりと長年営業を続けている、という点に胸を打たれる。こんな荒んだ世の中なのに、まだちょっとは何かあるんじゃないのか、捨てたもんじゃないんじゃないか、という風に過剰に考えすぎて涙がこみ上げて来たりする。

否、それはオーヴァーな表現である。ついつい勢いで書いてしまった。でも本当に、こういうお店が職場の近くにある、というだけでなんか不思議と安心するものである。名店である。駐車場にはいつも営業車とタクシーしか停まってるのを見た事なかったり、朝10時半に行って、今日は一番のりかな、とか思っていたらご近所のおじいさんが既にいて黙々とそば食べていたり、とエピソードには事欠かない店でもある。

腹減ってきた・・・。宮川弾アンサンブルの「Pied-Piper」を聴く。FPMでの共作とか、色々な方々のストリングスアレンジで名高い彼の初リーダーアルバムである、ってあれ、彼は確か元Love Tambourinesだよな・・・、と思っていたらまさにその通りらしい。さて、このアルバムであるが、電子楽器を使わない室内楽的なポップス、とかいう触れ込みであるが、確かに電子楽器は全く入っていない。でもなんかそういう事前情報ばっかり聞いてしまうと何か小難しい音楽なんじゃねーのか気取っちゃってよー、とか思いたくなるものであるが、全くそんなことはないアルバムに仕上がっていて、寧ろ斬新なので衝撃を受けた。ストリングス以外はほとんど本人が1人で演奏しているらしく、とんでもないことになった密室的な感じだったらどうしよう、と思ってもいたが、何かどこかコミカル、そしてバタバタ、でもしっかりメロディアス、という感じになっていて楽しい。ブラス中心で、そしてドラムセットではなくスネアやクラッシュシンバル、ギターはアクースティック、重低音部はブラス、そしてピアノやらバンジョーやらストリングスやらがわいわいやっている感じが楽しいのだ。加えて畠山美由紀土岐麻子(奥方らしい)、直枝政広(Carnation)、安藤裕子、そして太田裕美(!)などというゲストヴォーカル陣も実に味わい深い歌を聴かせている。女性ヴォーカルの曲が多いのだが、どことなく上記の方も含めて皆似た感じの声に聴こえ、宮川氏の好みのヴォーカルがどことなく見て取れたりもする。インスト曲でのゴタゴタ感とヴォーカル曲でのしっとりしっかりメロディアス感の対比も凄く面白く、ちょっとした衝撃の1枚であった。