High Days

Harlem Shuffle Vol.2 2006.12.1.(Fri)@Club SHAFT (Sendai) 21:00〜 \2,000 ( 1 Drink )

●Guest DJ●
鳥井本英樹(SINDBAD)

DJs:tmym, tdsgk, Kenji Maesawa

club shaft::  http://www.clubshaft.com/
HIGHCONTRAST::  http://www.vividsound.co.jp/highcontrast/

よろしくです!

私は基本的に一度に2つのことが出来ない。よくもまあ、車の運転なぞできるものだ、といまだに思ったりするものである。

そんな訳であるからして料理も今までは1品作るのがやっと、という体たらくであったが、この度スープも作ろう、と思い立ち人生初の2品メイキングにチャレンジしたのであった。なすとトマトとツナのパスタと、セロリのチーズ卵スープ、が今回のメニューである。

自分は不器用である、ということを認識していたので結構綿密にこのタイミングでスープの作成に着手、とか計画を練って挑んだのであるが、結構最初は事前に色々野菜切ったりチーズ摩り下ろしたり、と順調だったのである。しかしいざ、なすを炒める段になって手順を間違えたり、意外に早くパスタが茹で上がってしまってざるに空けざるを得なくなったり、強火でトマトの水分を飛ばしにかかったら跳ねて熱かったり、と様々に想定外の事態が起こり一挙にテンパってしまった。そこに加えてスープを作るために卵を溶こうにもボウルを全て使ってしまっていて、急遽使用済みのボウルを洗ったり、とかそういうことも起きてしまって、テンション的にはマックスであった。この11月にTシャツで汗を拭いつつやっていたのだからどれくらいのテンパりようだったかがうかがい知れるというものである。

ということで、爆撃に遭ったような惨状の台所を後に何とか料理も完成し、いざ食べてみたらば大層美味しくできたので(自画自賛も甚だしいが)大満足であった。というか、さっきまでの苦労、というかテンパり具合は本当にキツかったが、こういう風に美味しくできるならば報われるねえ、という実に拍子抜けのほんわかした結果になってしまったのは自分でも驚くばかりであるが、素直に「美味しくできて嬉しい」という料理の楽しみを享受する結果になったのであった。苦労が多ければ多いほど報われるものは大きい、というのは私は一般的な事柄に於いてはあまり思わないのだけれども、ことお料理に関しては実にそのとおりなのかも知れないなあ、としみじみ思ったのである。

もっと器用に何品も一挙に同時進行できるような人間になりたいものだ、と思いつつBert Janschの「The Black Swan」を聴く。言わずと知れた元Pentangleの彼のソロ作品である。思えば前作は確かJohnny MarrとかBernard Butlerとか参加してたような記憶があるが、この新作もDevendra BanhartにBeth Ortonに、そして個人的にはとても嬉しい元Rain Parade、現Mazzy StarのDavid Robackが参加、というその顔ぶれだけでも充分にニュースになりそうな作品である。しかし、当然ながらその話題性に全く負けない充実作に仕上がっている。トラッドナンバーも何曲か取り上げているが、ここではBert Jansch自身の曲が凄く良い。どの曲もメロディアスで、時にしっとり、時に泥臭く跳ねる感じのナンバーに仕上がっていて、聴いていて飽きない。それに加えて上記のような豪華ゲスト陣が華を添えるわけであるから、悪いアルバムなわけないだろう、というものである。Beth OrtonとDevendra Banhartのデュエットでトラッドナンバー、というのは多分他の作品では絶対に聴けない世界だと思うし、改めてBeth Ortonのヴォーカルは本当に良いなあ、ということを確認できるアルバムでもある。しかし、まあ、何よりも驚いたのは本当に初期の頃のナンバーと比べても、ほとんど遜色のないBert Jansch自身の、艶やかで伸びやかな歌声である。私の好きなアルバム「Birthday Blues」Birthday Bluesにどことなく近いかもなあ、と何故か思わせられる、渋く、そして跳ねる大傑作。