I Feel Love

Harlem Shuffle Vol.2 2006.12.1.(Fri)@Club SHAFT (Sendai) 21:00〜 \2,000 ( 1 Drink )

●Guest DJ●
鳥井本英樹(SINDBAD)

DJs:tmym, tdsgk, Kenji Maesawa

club shaft::  http://www.clubshaft.com/
HIGHCONTRAST::  http://www.vividsound.co.jp/highcontrast/

よろしくお願いします!!!

日頃ハードコアに暮らしている(と少なくとも錯覚している)私であるが、最近の愛読書はデレク・ジャーマンの『ラスト・オブ・イングランド』→ラスト・オブ・イングランドとヨネムラマユミの『ワタシとまめゴマ日記』→ワタシとまめゴマ日記である。

両者とも同等に私にとっては重みを持つ書物であるが、デレク・ジャーマンの著作は何冊も読んでいる。ということで後者が最近私に与えた衝撃は計り知れないものがある。ここのところ、例のハンカチ王子の好きなキャラクター、として俄かに脚光を集める「まめゴマ」であるが、我が家ではその何ヶ月も前からこいつらを愛でてきた、というところだけは強調しておきたい、って別にそんな意地を張らなくても良いことではあるが。

この『まめゴマ日記』であるが、同じメーカーから出ている『リラックマ』シリーズと可愛らしさは全く同じくらいながら、ストーリー展開、というか本の構成が全く異なる。『リラックマ』に於いては、ある日突然、リラックマはOLさんの家にいたのである。そしてその後、本の中ではストーリーもなく、OLさんが現れることなく、リラックマやその仲間の様々な行動や、思想(!)などが淡々と綴られていくのである。明らかにOLさんの影は薄く(というかほとんどなく)、リラックマを超特大フィーチャーした本な訳である。OLさんは冒頭部でやるせない独白をしている程度の登場ぶりだから、この本に於けるリラックマ99%状態、は仕方ないと言える(ただし、私は冒頭部のOLさんの独白に泣かされた次第ではあるが)。

しかし『まめゴマ日記』は同じようにやるせない日々を過ごす20代OLさんが登場するが、きちんと顔も登場する。というか彼女がペットショップでまめゴマを発見し、飼い始めることから物語は転がり始める。つまり上記『リラックマ』とは異なりあくまでOLさん(「ワタシ」)を主体に動いていくのである。そしていつの間にかOLさんの恋物語へと様相を変えていく様(まあ、それほど大きくそちらにシフトはしていかないのだけれども)を読んでいくにつれ、これはあくまで「OLさんの日記」であり、そこにたまたま「まめゴマ」という愛らしいキャラクターが紛れ込んできた、というものなのだな、と理解するに至るわけである。

ということで、ストーリーがしっかりしているから、キャラクターの可愛らしさだけではなく、純粋に優れた絵本、というか漫画、というか、そのような書物としても読み進めることができるのがこの本の特徴であって、非常に読後感は清々しい。思想的な面が時に変に強く打ち出される『リラックマ』に比して、こちらは読み手の解釈の自由さを約束している。そう、私たちには、こういう押し付けがましくない「癒し」こそが必要なのではないだろうか。

そしてこの本では、架空の動物であるまめゴマの生態についても、まるで実例があるかの如く詳細に述べているところに驚愕させられる。この余りにも具体的な行動の描写を読むにつれ、人間の想像力の可能性の偉大さを信じたくなるのである、こんな想像力が著しく欠乏している世の中に於いてでさえ。

とグダグダ書いてきたが、何はともあれ、このまめゴマがなあ・・・、可愛いんだよなあ・・・。時折仕事中でも、こいつらで頭が一杯になってしまったりして、至福の時を過ごしたりする32歳♂の私である。

・・・疲れてるんだな、自分。「Ruby Trax」を聴く。92年リリースのCD3枚組オムニバス盤である。最近某Love Recordsで在庫しているのを発見し(というかこれをこの店に売った人も知っているのだが)、もともと我が家にあったこのアルバムを私も聴きまくっている次第である。英音楽新聞NMEの40周年を祝うチャリティ作品で、様々な当時をときめく方々が全英で1位になった曲をカヴァーしまくる素晴らしい企画である。余談ではあるが、NMEのチャリティオムニバスと言えば「Sgt. Peppers〜」を丸ごと色んな方々がカヴァーした作品や、Elvis Presleyのカヴァー集、など非常に秀逸なものが多いなあ。さて、この「Ruby Trax」、超豪華な面子で、ある時代のUKロック〜ポップスの風景を鮮やかに切り取っている。The Wonder Stuff, Billy Bragg, Jesus Jones, Saint Etienne, The Fall, Curve, Ride, Inspiral Carpets, CUD, Kingmaker, Blur, Suede, Carter U.S.M., Aztec Camera, The Wedding Present, The Frank And The Walters, EMF等など、枚挙に暇ない。まあ、今ではこのような面子で興奮する輩もある程度の年齢以上なのかも知れないが、たとえ知らない面子ばかりだとしても名曲揃いなわけであるから充分楽しめるはずである。私はThe House Of LoveによるGeorge McRaeのディスコヒット「Rock Your Baby」のカヴァー(これがギターの荒っぽさとかクラビネットとかタイトなリズムとか格好良すぎて死にそうである)とかThe MissionによるBlondieの「銀河のアトミック」、Tears For Fearsによる完コピDavid Bowieの「Ashes To Ashes」(声までそっくり)、Seseless ThingsによるThe Venturesでもお馴染み「Apache」とかが好きであるが、トドメはMarc AlmondによるMadonna「Like A Prayer」であろう。自身もインスパによってSoft Cell時代の「Tainted Love」をカヴァーされている(まあ元々カヴァーではあるが全英1位になったのはSoft Cellであるからして)が、このMadonnaカヴァーは「強烈」の一言である。あの異常に高揚感溢れる原曲を更に高揚感溢れるカヴァーで聴かせてくれるのである。ゴージャスなホーンも入り(途中「Mission Impossible」を奏でるなど茶目っ気もあり)アゲアゲではあるが、胸を締め付けるような感動的な瞬間も多々あり、実に素晴らしいカヴァーになっている。まあ、それは当然ながらMarc様の伸びやかな美声のお陰であることは間違いないのであるが。とにかく、他では聴けない曲ばかり入ったコンピだし、Marc Almondの素晴らしさも再認識できるし、探して手許に置いておく価値はいまだに充分あると思うのだが、いかがであろうか。

今日はCDについても本についても、極端に主観的に語りすぎて何か気持ち悪いな・・・。