Lovesick

Harlem Shuffle Vol.2 2006.12.1.(Fri)@Club SHAFT (Sendai) 21:00〜 \2,000 ( 1 Drink )

●Guest DJ●
鳥井本英樹(SINDBAD)

DJs:tmym, tdsgk, Kenji Maesawa

club shaft::  http://www.clubshaft.com/
HIGHCONTRAST::  http://www.vividsound.co.jp/highcontrast/

よろしくお願いします!!!

日頃、「好きな食べ物は?」との問いには「たこ、水菜、焼き鳥、じゃこ」という、まるで居酒屋メニューしか今まで食べたことがないような答えをしてしまう私である。

しかし表面には出てこないが、実はかなりの勢いで大好きな食べ物があるのではないか、とふと齢32にして気づいた。元来甘いものには目がない私ではあるが、その中でも特化されて好きなもの、それはアイスクリーム、である。

ついつい「好きな食べ物」欄には書かないままでいるのだが、よくよく考えてみれば、かなり「好きな食べ物」なのである。別にちょっと恥ずかしいから、とかそういう理由で書かないのではない。食べ物、と聞いたときには思い浮かばないのである。しかしこの間ふと、「人生於いて大切なものは?」という問いを受けたときに(って一体どんなシチュエーションなんだ、と自分でも思うのだが)、まず真っ先に思いついたのがアイスクリームだったのだから人間不思議だ。最早単なる「食べ物」はたまた「お菓子」という範疇を軽々と超え、更に大きい存在になってしまっているのだろうか。

確かに先日、映画『AA』をスルーしてまで拙宅で待機して到着を待っていたのは、アイスクリームであった。ウェスティンホテル京都のアイスクリームだった。確かに昼食を食べた後に、煙草を買いに空いた時間でコンビニに行ったりするときに、ついつい買ってしまうもの、それもアイスクリームである。よく「身近すぎて気づかないけど大切なもの」というのがある、と言われるが、私の場合それがまさにアイスクリームだったのだろうか。

ちなみにピノが好きです。期間限定の様々なヴァリエーションを楽しみに季節を乗り切っている、と言っても過言ではないのだがBob Dylanの「Time Out Of Mind」を聴く。97年作である。思えばグラミー賞を取ったりしているのだね、この作品。カンの鋭い方々、若しくは昔からこのNag3をお読みになってくださっている方々ならご察知・ご承知の通り、誕生日の後には彼の作品を聴いていることが多いのである、毎年。それはつまり我が友人、歩く廃墟の街、というか天国の扉、というかブルーにこんがらがって、というか(以下略)からプレゼントとして送られてくるのである。この調子で行くと毎年お互いが生きている限りは、彼のアルバムが我が家に自動的に増えていく、ということになるのだろうか・・・。ということでこの作品であるが、Daniel Lanoisプロデュース、ということで「あの」空気感が全体に漂っているわけである。Willie NelsonやEmmylou Harris、はたまたThe Neville Brothersなど、アメリカのルーツ系に属すると捉えられる方々をプロデュースしたときの彼の技はとてつもないわけである。今作でもそれは発揮されているのだが、他の作品と比べてエコー、というか全体を覆うベールのようなものは若干印象が薄い。それは多分何故かというとDylan氏の声の存在感に拠るところが大きいのではないだろうか。冒頭曲から、まるで鋼のような、空間を切り裂く彼の声が飛び出した瞬間に色が変わってしまうのである。超ど真ん中から彼の声がこっちに向かってくるような。しかしそれに拮抗するようにバックも至るところから音が聴こえてくるような、そういう印象を受ける。こんなにクールで抑制が効きまくった、カントリー気味の音だと言うのに。ということでメロディも非常に印象的だし、実に愛聴しているのだが、不思議にドロリとした感触が残る。嫌ではないドロリ、具合なのだが。これは何なのだろうか。もうちょい聴きこんでみないと判明しないかも知れない。ちなみに17分近い最終曲には度肝を抜かれた次第である。