April Skies

今日ニュースで秋葉原で「オタク狩り」をしていた高校生が逮捕された、というのを見た。まず、ガキが何やっとんじゃこりゃー、というのが第一に思ったことだし、こういう恐喝行為は許されるものではないのだけれども。

しかし同時に私は、道徳的なこととか全て置いておいて、「なるほどなー」と思ったのだ。狩った理由というのが「弱そうだし、お金持ってそうだから」というのを聞いて、自分が考えもしなかった方向から光を当てられたような気がして、変な話だが目から鱗が落ちた。そうかも知れないなあ、確かに。

どうやら私には完全に悪人の才覚はないようである。否、十分に悪ではあるけれども、犯罪者としての嗅覚というか閃きはないようである。そういう閃きが、そういう良くない閃きがあるからこそ、上記のようなことをしたりするのだろうな。まあ、なくて幸いだしこれからも別にいらないのだけれども、自分にない部分を発見した時には軽い驚きというか、そういうものを覚えるものである。まさにそのようなニュースであった。

しかし恐喝するなよな、と思いつつThe Jesus And Mary Chainの「Darklands」を聴く。87年リリースのセカンドアルバムである。ファーストでの全面を覆うフィードバックの嵐は鳴りを潜め、アクースティックギターとかの響きやら、よくバランスの取れた音を聴かせる、ということで賛否両論のアルバムであった。しかしこれは名作なのである、誰が何と言おうと。まず何よりファーストで見落とされがちだった、ワンパターンながらもスウィートなメロディ、という側面がしっかりと打ち出され、方向性が見えた、という点がまず大きい。そして曲のヴァリエーションも圧倒的に広がり、沈み込むようなダークなナンバーからポップなリフがリードするキャッチーな曲まで、捨て曲が全くない。この後の大胆なビート面の強化〜フォーク寄り〜ゴタゴタなぶち込みアルバム、という展開を考えて行くと、本当のスタートはここだったのかもなあ、とぼんやり思ったりもするのであった。まだ、打ち込みドラムがあくまでドラムの代用品、としか鳴っていない点も新鮮と言えば新鮮である。20年近く聴き倒しているがまだまだ新鮮な気持ちで聴けるのだから、私も奇特な奴なのかも知れない。