Rocks

しかしついこの間まで汗だくで寝ていて、しかも朝には布団は全くかかっていない、という状態だった私なのに、今ではしっかりと布団を方までかけたまま寝て、そして布団もかかったまま目覚めている。月日が、そして季節が流れ行くのは本当に速い。

そして秋晴れで良い天気が続いて心地よいのう、ということを書こうと思っていたら、今朝はとんでもない大雨にやられ、もし家の脇を流れる川が増水して我が家が浸水するような羽目になったら、もう出家してやる、というわけわからぬ勢いで出勤したものだった。

それがどうだ、午後になったらさっぱりと晴れて、まるで今朝のたたきつけるような雨も過去の話なわけである。今更ながら「女心と秋の空」という言葉を噛み締めるのであった。

否、別に女心に振り回されたとかそういうことがあったわけではないので、下衆の勘ぐりは止めるように。でも本当に良く言ったものだなあ「女心と秋の空」。

だから別に何があったわけでもないですってば、と繰り返し書くと何かスキャンダラスな感じがして面白いかと思ったのだが、別にそういうこともないか、としょんぼりした次第である。

しかし季節が変わって、この時期は私が1年の中で1,2番目くらいに好きなのであるが、鼻が止まらないのが困り物である。最早出るものは何もないのではないか、というような勢いで出まくる。なかなか世の中、一長一短なのだなあ、ということも噛み締めつつ、Caetano Velosoの「Ce」を聴く。前作はアメリカ人作の曲を歌った全曲カヴァーアルバムだったので、純然たる新作としては久々なのかも知れない。思えばその前作「Foreign Sounds」もNirvanaやらDNAまでもカヴァーしていた驚愕のアルバムであったが、今作も驚愕である。ギターベースドラムスを基本としたソリッドなロックサウンドの作品なのである。と言葉で形容してしまうと何だか別に普通じゃないのか、とか思われるかも知れないが、この音の隙間を生かした生々しさとソリッド、且つアグレッシヴなアレンジには度肝を抜かれる。Clap Your Hands And Say Yeahをもうソリッドにしたような勢いなのである。純粋に格好良いロックンロールなわけである。加えてそこに、齢64になるCaetano氏のいつもと何ら変わらぬ優しく、まろやかなポルトガル語ヴォーカルが乗っかるのだから、たまらない。最初はミスマッチの面白さを狙ったのかな、と思っていたのだが、見事にずっぱまりで、もしかしたらこのバックのソリッドさ、隙間感、というのは彼の声とのマッチングを第一に考えた、練りに練った挙句のシンプルさなのかも知れない、という気になってくる。最早我々が一般的に考えるところの「ブラジルっぽさ」というものからは遠く離れた、思い切りオリジナルな世界が完成されているアルバム。やはり、只者ではないのだなあ。