You're Gonna Die


Vinyl On Demandというレーベルがある。今日は珍しく初っ端から音楽ネタである。

このレーベルが今あっつい。リリースは全て再発もの、アナログのみ、しかも限定500枚とかで大体複数枚組、という異常にマニア心くすぐられるリリースばかりである。

しかも出しているものがMBだったりP16.D4関連だったりMuslimgauzeの初期音源だったりEsplendor Geometricoだったり非常階段だったり、所謂ノイズ、と括られそうなものばかりだったりするから強烈である。何でも、自分の好きなこういう音楽をもっとリリースしたい、という思いから始められたレーベルらしく、何か出しているものとそのピュアな思いとの関係に、まずは感動させられる。

しかも結構リリースの予定がしっかり立っていて、来年のリリースまで決まっているその計画性にまた感動、である。来年もBroken FlagレーベルコンピやらKarl Blakeの音源集、Controled Bleedingだの、たまらないものばかりで来年もある意味台風の目になりそうな予感、である(極私的に)。ただ、上記のようなリリース形態のためにコンスタントに入手できるかどうか、不安は残る。やはりレーベル会員になって毎リリース定期的に送ってもらうような、そういうことを私もやった方が良いのだろうか、と久々に本気で悩まされる。ここ最近こんなにあっつくなったのも久々である。

と同時に自分大丈夫なのか、という思いもあるのだが。何か最近所謂由緒正しい「ノイズ」ものを聴くのがとても楽しくなってきてしまって、もし何か犯罪でも犯してしまって、私が最近聴いていた音楽とか部屋とか紹介されたら情状酌量の余地がない、と判断されてしまうのではないか、という不安に駆られる。でも多分会員になっちゃうんだろうなあ。

今日は独り言大会であった。Destroy All Monstersの「Bored」を聴く。Cherry Redからのコンピミニアルバムである。世間的にはMike Kellyが在籍していたとかでLAFMS関連、としての人気が高いようであるが、私はどうしてもThe StoogesのRon Ashetonがギターで入って以降の(そういやべーシストはMC5のメンバーだったような)、デトロイト直系ロックンロールバンドになったこの時期に抗えない魅力を感じてしまうのである。このコンピに収められているのも、Niagara嬢の気だるげで投げやり気味なヴォーカルをフィーチャーしたロックンロールナンバーばかりである。どう考えてもB級であろうし、さほど才能の閃きのようなものも感じられないのだろうが、そんなものロックンロールには関係ないぜ、と言わんばかりの豪放な魅力にノックアウトされてしまうのである。何と言うか「Goo」の頃のSonic YouthとThe Stoogesが合体したかのような(勿論言いすぎなのであるが)、そういう危険な魔力に満ちた音楽。やっぱりこういうの、どうしても好きなんだよなあ、と自分の性癖を深く内省するきっかけにもなるのだった。