Automatic Blues

先日気仙沼に行った話は、ちょっと触れた。しかも別に気仙沼とは関係ないネタで触れた。

しかし流石気仙沼海沿いシーサイド。寿司は美味いし、お土産にカニだのつぶ貝だの帆立貝だのよくわからない刺身だの、海産物をたくさんいただいてしまってほくほくしながら帰ってきたのだ。

それは良い。問題はまた別のところにある。車で行って車で帰って来たのであるが、あれは土曜日のことだった。いまだにリアのドアを開けると、そして運転席の方も仄かに、カニ臭い、というかう磯臭い、というかいまだに海の匂いがするのである。

まあ、実家というか母方の実家は思いっ切り海沿いであるから海の香りには全く抵抗ない。しかしそれは海があって海の匂いがする、という場合の話であって、車の中がいまだに海の匂い、というのはちょっとアレである。しかも閉めきっておいた後に車に乗り込む際の匂いというのは、微妙に何か混ざり合ったような匂いで結構凹むものである。

芳香剤を一応は置いているのだが、全く意味を成さない。最早バルサンみたいな消臭剤を焚くか何かしないとまだまだ海の車のままであり続けそうである。何か明日の朝もあの匂いかあ、と思うとちょっと凹む。

しかしたった数時間車の中に置いておいただけでここまで香りが染みこむとは。自然の力は偉大だなあ、と思い知らされた出来事である。

Chuck Prophetの「Age Of Miracles」を聴く。俄かに(勝手に私の中で)盛り上がる、Green On Redの彼の2004年作である。これの前の作品でグッと来てブームが到来したのであるが、今作はこれまた地味ながらも微妙に味付けが華やかなポップな作品で、またまた盛り上がってしまうのである。数曲でFrank Black作品でお馴染み、元Magic Band(あ、今は再結成したか)のEric Drew Feldmanが参加していてちょっと不思議なシンセ音などが聴けるし、全体として実に渋く落ち着いていて、アメリカンシンガーソングライターの作品、という感じがプンプンなのだが音質とかアレンジなどにはかなり工夫が見られて、凄く面白い。まあ、勿論それらはChuckさんの渋い美声と琴線に触れるメロディあってこそ、の話なのではあるが。今の感じで言えばより一層渋くなったG LoveとかJack Johnsonとか、そういうラインで聴いてもすんなりいけそうな、非常に素晴らしいアルバムである。こういう朴訥とした佇まいで、時折ギラリと光るものがある音楽には無条件に弱いのであった。特にリズム面でのハネ具合とかラップスティールとかストリングスとか、そういう細かいフックが積み重なって私を引き寄せるのである。ところで、このジャケ、こちらの方が当然ながら早い時期に使用しているのですが、やっぱり良い写真ですなあ。「Country Girl」と間違えて買う人がいるかも。いや、いないな・・・。