Brazil

そういや最近、じっくりと音楽を聴いてないのう、とかふと思ったりしたのである。

集中して音楽をがーっと聴いたりしているのは主に最近は車の中である。かなりじっくりと聴きこんでいるように思うが、それはそれで運転中であるが故、問題なのではないか、とか今気づいた。まあ、それはそれとして。つまり、普通に歌が入ってビートが入っているようなCDは車でじっくり聴いているから、なかなかに聴きこんではいるのである。しかし、ちょっとこれは車ではなあ、というようなCDは家で聴くのだが、その時間がなかなか取れなかったりもする。

そしてレコードもまた然り、である。私はもっともっとFMPのレコードをじっくり聴きこみたい、とかICPのレコードを番号順に聴きたい、とか常日頃思っているのだが、これがまた。我が家には聴くに値するレコードしかないと思うし、実際突如職場とかで「Peter Brotzmann聴きてえなあー」という衝動に駆られたり「今日は家に帰ったらFrancois Tusquesを聴こう」とか決意するのだが、様々なしがらみにより実現されないことが多い。

世間的には、最近ではiPod利用者が格段に増え、「音楽が身近になった」とか言われて久しい。しかし私のような生活を送るような人間にしてみれば、その流れから取り残されたにも等しい状態であって、逆に飢餓状態が続いたりしているのである。iPodは持っているのに・・・。まあ、それはそれで聴けたときの悦びたるや筆舌に尽くしがたいものがあるので、良い状態と言えば良い状態なのかも知れないが。

ということでずーっとハングリーな状態ではあるが、車の中では狂乱のLloyd Cole祭りが続行中で、遂にソロアルバムを全て聴いてしまった。あ、インストアルバムは持っていないのでそれ以外、ということになるのだが。今日は「Music In A Foreign Language」を聴いた。2003年リリースの今のところの最新ソロアルバムである。しかし、今月新作が出るらしく、実に目出度いことである。さて今作であるが、とっても地味なアルバムではある。基本的にアクースティックギターと歌+αという世界である。全体的にミッド〜スローテンポのナンバーばかりで、Lloyd氏のヴォーカルもこちらに囁きかけるような、もしくは呟きのような、そういうテンションである。まあ、今日のような雨の日にはぴったりかとは思うが。しかしですね、やはり曲が凄く良いわけですよ。1曲の中にはこちらが身もだえしそうなフレーズが必ず織り込まれているわけで、そこに差し掛かった日にはもう運転どころの騒ぎではないほど胸がざわめく。危険ですが。加えて今作のようなテンションだともうひたひたとこちらに迫る勢いであるからして、その威力は半端なものではない。しかも詞が聴き取りやすく、そういう面でも更にグッとくるアルバムである。Nick Caveのカヴァーもしっかりと嵌っていて、いつまでも聴いていたくなるアルバムなのである。さて、新作はどんな感じなのだろうか。