The Boom Boom Bap

今日は何か書こう、と思っていたことがあったのだが、帰宅してパスタを作って食べて、ギネスビールをギネスグラスで飲んだら一気に全てが吹っ飛んでしまったのだった。

人間様々に細々とした記憶を詳細にしっかりと覚えていられるだけのキャパシティがあればどれだけ良いだろうか、とか思ったりもするのだが逆にそうじゃないからこそ幸せに生きていける、という説もある。忘却の生き物、というだけあってそのサイクルは速い。もしかしたら私はボケているから更に速いのかも知れない。いずれにせよ、昼間考えていたことは、約1.5人分のペペロンチーノと調子に乗って2缶も空けてしまったギネスのせいで全て吹っ飛んでしまった。まあ、そんなことに負けるようなネタだったんだろうな、ということで今日は全く内容がないNag3なのである。どちらかというとギネスの缶ビールにおける驚くべきテクノロジーとその美味さについて延々語りたいところでもある。

嗚呼何とぐだぐだな・・・。Scritti Polittiの「White Bread Black Beer」を聴く。黒ビールだし。約7年ぶりの新作である。以前にも書いたのだけれども。しかし今夏には奇跡の初来日まであって、しかも見に行けずに枕を涙で濡らしたような私としては音源を聴き倒すことでしか思いを昇華できないのである。ブランクを開けながらも毎回クオリティの高い作品をリリースする彼ら、というかGreen氏故、今作もやはり安心して聴けるアルバムである。ただ、ここまで肩の力が抜けたような、リラックスしたようなアルバム、というものはなかったように思う。グジャグジャになる寸前まであらゆるスタイルをぶち込んだ3枚のシングルを経て、異形のファンクとソウルを独自のセンスで纏め上げたファースト、デジタル時代のブルーアイドソウルを完成させてしまったセカンド、サード、11年のブランクを経てヒップホップまでやってしまったフォース、と結構ガチンコのアルバムばかりなのであるが、今作は凄くナチュラルな音楽に聴こえる。気張ったところがない、というか。しかしメロディの美しさ、ヒップホップを通過した強靭なビート、そして久々にストレートにレゲーな感じのナンバーなど、どの曲もソフトな耳障りながら決してだらけてはいない。寧ろ自然体な感じ故に、各曲のヴァラエティが際立って聴こえる。加えて全く変化のないGreen氏のヴォーカルは、いつでもこちらの時代感覚を狂わせ、そして他には全く類を見ないScritti Polittiの世界だけを現出させるのであった。サラリとしていて実はとんでもない力作、そして傑作である。こんなにキャリアが長いのに、デビュー作のように瑞々しいだなんてもう大変なことである。しかしamazon、安いなおい・・・。何か凹んできた・・・。