It Took The Night To Believe

野本かりあ at Caramel London Star☆
DATE :2006 8/26(sat)
    19:00start 24:00closed
    at Caramel London Star
PRICE:Door 3,000yen(2drink)
    ADV 2,500yen(2drink) ☆前売りは限定50枚☆

LIVE :野本かりあ (columbia*readymade)
DJ's :野本かりあ,菅井ヒロシ,
   tdsgk,noriconne,geeepang他

さてカレーを作ってみた。

ドライカレーは今までに何度か作ってみたことがあるが、カレー、というものは実は初めてである。冷静に考えてみると今までは結構クイックメニュー系が多かった私のお料理なわけである。ここらでガツンと腰を据えていってみるか、ということでまたもや我がバイブル『はじめての3分クッキング』はじめての3分クッキング―かならずおいしく作れる永久保存版を読みつつチキンカレーを作ってみたのであった。しかしこの本、何が凄いってどこが3分やねん、とつっこみを入れたくなるような、そういうレシピがガンガン、というか99%、というところか。看板に偽りありまくりなのだが、どれも手軽に美味しくできるから不問に付している。

さて、鶏肉の皮を切るので悪戦苦闘したり、にんじんを摩り下ろし、ニンニクを摩り下ろし、ついでに自分の指の皮を少し摩り下ろししつつ、玉ねぎを茶色になるまで炒めたり、フライパンでことこと煮込んだりして、どうにか鶏肉しか具としては入っていないチキンカレーが完成した。水っぽいものがご飯にかかるのは苦手な私としてはもう少しトロリ、としたカレーだと嬉しかったが、なかなかどうして、大層美味しくできて感動的であった。

ところで考えてみれば、初挑戦なのだからルーを使って平和にのんびり作ればよかったのではないか、ということである。作り終えつつあるときに気づいたのだった。そう、だよなあ・・・。絶対そっちの方が手軽だよなあ・・・。だのに、何故?それは上記『はじめての〜』にこのレシピしか載っていなかったからなのである。恐るべし『はじめての〜』。人を苦難の道へと引きずりこむとは・・・。よく見てみれば「市販のルーを使わない本格味のカレーに挑戦してください」とか凄いことが書いてあるのであった。

まあ、カレーに関してはもう大変なことになっている知人もいるし、今更何を大騒ぎしているのか、という向きもあるかとは思う。しかし私としては着実にレパートリーがじわじわと増えているのが嬉しくて仕方がないのである。押しなべて後ろ向きな私は何故、ことお料理に関してはこんなに前向きなのだろうか、情熱を傾けているのだろうか。あれか、明日をも知れぬ男女が果てしなく無軌道なセックスにのめりこむように、私にとって全てを忘れるための何か、として料理が存在しているのだろうか。だからここまで積極的なのだろうか。

いや、そんな何か重い意味はない、と自分では信じたいのだが・・・。ということでSunn O)))の「Black One」を爆音で聴きながら作っていたのだった。最高すぎる・・・。ストーナーロック、とか呼ばれるんですかね、こういうのは?詳しくはわからないが、前々作、前作に当たる「White」シリーズもかなりの隙間具合低音のブースト具合が気持ちのよいアルバムであったが、こちらのアルバムはどちらかというと隙間を感じるというよりはこちらにのしかかってくる壁を感じるような、そういう息苦しいアルバムである。否、それは決して否定的な意味ではなく、そういう圧倒的な音の塊がこちらに寄せてくるような、そういう音なのである。メタル、という要素は音の重さぐらい、もしくは唐突に行き場のない感じで入ってくるデス声くらいにしか片鱗を感じることはできず、最早ドローン、というかミニマル、というか、それも物凄く重苦しいヤツ、という世界に突入していて実に爽快である。この重さ、モノトナスさ、は明らかに中毒作用がありそうに思われる。ライヴとか見たいなあ・・・。