Gigolo Aunt

時折、1人にしてくれ、と思う時がある。

それは別に誰もが私に構いすぎる、とかそういう被害妄想みたいなものではなく、そう静けさが欲しいのう、ということである。

職場では必ず誰かが話しているし、家でもなんらかの形で話はあるわけである。まあ、家でそのように話があることは至極幸福なこと、なのだろうと思うのだけれども。しかしそれでもやはり、別に嫌なものでもないのだが、ちょいと静けさが欲しいのう、ということである。

ということで1人で車に乗っていると大層落ち着くのである。そういえば昔流行った動物占いでは、私は「狼」であり、車の運転が好き、とかそういうことが書いてあった。日ごろ占いなぞちいとも信じない私であるが、動物占いは当たっているのかも知れない、と思う。

とか言いながらいざリアル静けさの中、そしてノー会話の中に身を置いたら置いたで、ちょっとなあ、と思うことは間違いないと思う。そういうことが予想できるから、『ドラえもん』に出てくる「独裁者ボタン」というものは優れた道具だったなあ、とか思うのである。

雨の日の雑記である。ちなみに上で言及した「1人で車の運転」のときも必ず爆音で音楽はかかっている。そういうのは苦にならないらしく、矛盾するかもしれないのだが、「静けさ=無音」ということではないらしいのだ、私の場合。難儀じゃのう。

Syd Barrettの「Barrett」を聴く。まあ、追悼、というか。セカンドソロアルバムであるが、ファーストの時点でもうついていけなくなってしまったRoger Watersは今作には参加せず、一方David Gilmorは引き続き参加している。これはファーストに比べるとより中へと入り込んでいくような、そういう感じがするアルバムである。ファーストに比べると上にも下にもふり幅が広くなった、というか。ということで私はこのセカンドが昔からお気に入りなのであった。Sydさんはいつでもメロディはポップなのである。加えて彼の声も淡々としていて、本当に聴きやすい。ただこのセカンドでは若干影が濃いめになってきており、ダウナー気味の曲の下がり具合たるや、地中深く潜っていくような、そしてタイトな曲では緊張感が2割り増しのような、そういう過剰といえば過剰なまでの音楽が聴ける。でもあくまでメロディ、そして歌共に突飛なところはなく、非常に聴きやすいと言えば聴きやすいのである。「Baby Lemonade」とかかなりの確率で我が鼻歌リストに入っているくらいである。この続きも聴きたかったものであるが・・・。