The Fox

今日は気温はそんなに高くはないはずなのに、湿気が凄い。我が家も湿気が凄く、水とりぞうさん、なる吸湿パックがあっという間にたっぷんたっぷんである。

そんな湿気地獄の我が家から逃れ職場にやって来た今日であるが、結局湿気が多いのはどこも変わらぬこと。冷暖房完備ながらもあまり使用されないような環境では、やはり湿気に悩まされるのである。ということで今日は、土日イヴェント明けだわ月曜日だわ雨だわしかも湿気だわ、ということで人間としてあまり機能していないのである。

こう如実に湿気によって、若しくは気圧のせいかも知れぬが、足が痛いわ頭が痛いわ、となってくると本当に健康体、というものは一体どのような状態を指すのか分からなくなってきてしまう。思えばこうしてみると「健康」とは一体何なのだ、とか思えてくる。健康な肉体に健康な精神が宿る、というのなら私の場合は明らかに不健康な精神の持ち主であるからして、その線で考えていくと健康な肉体な持ち主なわけないのである。

ということは精神を健康にすれば、健康な肉体が得られる、ということである、逆に言えば。ならばこのNag3を楽しかった出来事の羅列にしてオチもないような、そういう場にし、MBのボックスセットどこかで入手できないかなあ、とかJohn Zornの新作が良かったとか言わず、エルンストだのアルトーだのアナイス・ニンだのJGバラードだの読まず、草花を愛で、とかいう今の真逆の生活をすると肉体の「健康」というのが得られるのだろうか。ってことはどうやら無理なようである。

って結局変わらずいくしかないのだね。A Certain Ratioの「Early」を聴く。Soul Jazzがこのコンピを出した頃が「踊れるニューウェーヴ期の音楽再評価」のピークだったのだろうか。私はいつでもピークのまま、なのだが。このコンピはタイトル通り(実は若干ニュアンスが違うのだけれども)Factoryからデビューした彼らのサード辺りまでの音源を良い感じにコンパイル、そしてスタジオライヴやら何やらの音源を追加した2枚組である。まあ、ファンク、なのである。とくにベースのチョッパー具合と細かいドラミングの絡みは非常にスリリングで、それはそれはたまらない。しかし全体として考えると、全然決してノリノリではない。異常に冷めたファンクミュージックなわけである。Joy Divisionの空気をそのままにファンキーにしたような、そういう音なのである。手法の一つ、として捉えているようなクールさも漂う。そこらへんの距離感、と言うか冷めた感じが、再評価が遅れた理由なのかも知れない。でも逆に、開放感よりは閉塞感漂うファンク、ってのは強烈にオリジナルなわけでやはりそこらへんは素晴らしいセンス、としか言いようがない。蛇足ながら6年ほど前に、DJをする機会があって彼らの「Shack Up」を自信満々、喜び勇んでかけたが、見知らぬ客の1人に「もっとポップじゃなきゃ踊れないよ!」と言われた経験がある私なのである。いや、それは嫌な経験なのではなく、寧ろ嬉しくて、そして「え、ポップじゃないの!?」と意外に思ったわけで、いまだに鮮烈に覚えている。まあ、こんなこと言っているから健康な肉体など得られるわけがないのである。