Shatter

「Harlem Shuffle Vol. 1」
2006.7.8 (Sat) @Club SHAFT (Sendai) 21:00〜 \2,000 ( 1 Drink )

Guest DJs:
高橋孝博(HALFBY)/ 森野義貴(HANDSOMEBOY TECHNIQUE)/ 小山内信介(SECOND ROYAL)
http://www.secondroyal.com
DJs:
Takashi Tamayama, tdsgk, YMDMKT

是非どかんと遊びにいらしてください!

土曜日のNag3にも書いた、例のプレイリスト、それの話である。

ということでitunes上でプレイリストを作成し、それをついでにCDにも焼いてみたのだった。しかし冷静に考えるとこのわたくしめが、「itunes」だの「プレイリスト」だの「CDを焼く」だのという言葉を使っているだなんて、一年前の自分からは想像もつかなかったのう。人間進歩するものなのである。まあ、それは多分当然の人々には当然のことであろうが、自分のような人間にとっては大変なことに感じられるのだった。

話がいきなりずれた。さて、それでそのプレイリストやらをクリックしてみたら、何か良く分からないが「imixで公開」だかなんだかというボタンがあり、とりあえずクリックしてみたらやれアカウント取れだの、カード情報入力せよだの、なんだかんだでいつの間にかitunes Music Store用のアカウントを取ってしまっていたのだった。

私は何度もこの場を借りて申し上げているとおり古い人間であり、且つ通信方式も激烈にナローバンドなので、天変地異でも起こらぬ限りはitmsを利用することはない、というか利用できないのだが、こうしてまんまとitmsを利用できる環境になってしまっていたのだった。ネットの世界は何事もスピーディであるのう。

とかいう経緯を経て、さて何かわからないが公開、ということになった我がプレイリストであるが、なんとitmsで購入できるのは3曲のみであった。3曲・・・。21曲中3曲・・・。ということでそれでは何が何やら意味わからないので公開キャンセルにしたのだった。まあ、そもそも知らず知らずのうちに「imix」だか何だかのボタン押していたわけだし、別に良いのだが。

しかしあれだ。一抹の寂しさが漂う今回の顛末である。そうか、私がお散歩に最適じゃのう、と選んだ入魂のプレイリスト21曲中、18曲はitmsでも購入できぬ、最早時流から取り残された前世紀の遺物、ということであり、それに熱狂して聴きながら散歩なぞをこの2006年にしている私なぞも、最早前世紀の生き物、いわば恐竜というか、そういう存在になりつつあるのだなあ、ということを証明されてしまったようなものである。んー。

まあ、結局、でも良いなあこのプレイリスト、と思いつつ今日も車で聴いていた。散歩だけじゃなく運転にも良いねえ、などと猛烈に自己満足な感じで。Shelleyan Orphanの「Century Flower」を聴く。これも件のプレイリストに入れてたな。89年のセカンドである。Rough Tradeの男女デュオである。87年のデビュー作では管弦楽器メイン、というか管弦楽器オンリーで非常にそれはそれは気高い音世界を作り上げていたこのお二方であるが、David M. Allen(The Cureとかでお馴染みですね)をプロデュースに迎えた今作では更にドラムスもベースもギターもフィーチャーして非常にダイナミックな世界になっているのだった。ファーストではどちらかと言うと慎ましやかに小さな世界を完成させていたのだが、今作では小世界から抜け出し、更に大きな世界へ、もっと極端に言えば世俗に塗れてみようではないか、みたいな意志が感じられる傑作である。まあ、ネオアコっぽい、というか何と言うか、そっちの文脈でも語られることの多い彼らであるが、どちらかと言えばUKフォークの流れの80年代的解釈版、みたいにも考えられる。というかメロディも良いし、ヴォーカルも男女共に美しい。ファーストの評価は今でもかなり高いが、セカンド、そしてサードについての言及は今では目にすることはないに等しい、寂しい現状である。これからの季節、このアルバムも含めて彼らの作品は、じめっとした空気を吹っ飛ばす「抜け」があるように思うので重宝しそうである。毎年のことなんだけれども。