Prenzlauerberg


今日2つ目。

仕事が終わって帰宅途中に、コンビニに寄ったのである。

しかしこのコンビニ、何か駐車場が騒がしい。まるで、そこにサウンドシステムを組んでサウンドクラッシュしているような、マイティクラウンが来ているのか、というくらいの大きさでなんかレミオロメンのような音楽が聴こえる。

見ると車の窓を全開にして、爆音で音楽をかけながら、若者が1人で車の外に立って歌詞カードを読んでいるのだった。

コンビニで買い物を済ませて外に出てきても状況は変わっておらず、相変わらずレミオロメンのような音楽が爆音で鳴り響いて、若い男が1人で窓が全開の車の外で歌詞カードを読みながら聴いているのだった。

車の中で、だったらまだわかる。何故車の外で、なのだろうか。良い曲だから皆に聴かせたい、という思いからであろうか。それとも自分こんなの聴いてますぜ、というアピールなのだろうか。それとも歌詞が凄過ぎて車の中に入るのを忘れていた、とか。

まあ、いずれにせよ不思議、且つ不愉快な経験であったことには変わりはないのだが。Beirutの「Gulag Orkestar」を聴く。アメリカの19歳の男性によるデビューアルバムであるが、Neutral Milk Hotel, A Hawk And A HacksawのJeremyによる完全バックアップの作品である。というわけで、録音はニューメキシコ、演奏しているのはほとんどアメリカ人ばっかりなのに、A Hawk And A Hacksaw同様の、ナゾのバスク民謡風、トラッド風なナンバーがずらりと並ぶアルバムなのであった。とは言え、当然ながら真っ直ぐにトラッド解釈、ということもなくThe Magnetic Fieldsを彷彿とさせるエレポップナンバーも唐突に現れたり、色々ヴァラエティに富んでいて面白い。擬似ライヴ風ナンバーもあるし。と冷静に考えているが、超哀愁すぎて、泣ける。東欧のトラッドナンバーは哀愁漂うメロディの曲が多いように思えるが、その側面を更に培養して現代風にしたような、そういう曲がぎっしり、なのである。また、Zach Condonくんのヴォーカルが、まだ19歳なはずなのに異様に落ち着きがあって、風格があって、味があって、という状態だからこれまた困る。ブラスアンサンブルもそこで非常に効果的に入ってくるわけだから、思わず夢中になって聴いてしまった。とんでもない見っけもん、である。ふとMaher Shalal Hash Bazなぞを思い出したりもしたのであった。

ジャケも最高すぎるではないか。この車、ラーダだったかな、モスクヴィッチだったかな。いずれにせよロシア車であることは間違いないのだが。