Ain't No Grave


今日2つ目。

私のPCの通信方式はPHSを用いた32kbpsの奴である。こんなブロードバンド全盛の世の中に於いて、超激ナローバンド、ということである。

だからネットの画面の表示には時間がかかる。画像が多いサイトなんかだと全体像を掴むのに時間がかかる。ダウンロードなぞしようものなら4時間かかったり、とかする。今流行りのyoutubeって奴も見れぬ。

でも、私は平気なのである。「こんなものだな」と思っているからとくに苦にならないのだ。多分他の人が私のPC環境でネットとかしようものなら、あまりの遅さに発狂して叩き割ったりするのではないか、と思うのだが私自身はとくに苦にしていないのである。

ネットの可能性、というものが色々なところで、もうここ何年も色々言われているのだが、私の場合その可能性の2%くらいしか関係ないのではないか、と思ったりもする。

でもこうやってNag3を更新できるし、Amazonとか色々普通に使えるから別に支障はない。比較すればそれは多分不都合なことに気づくのであるが、私の場合かなり絶対的に「こういうものだ」感が強いのでこのままで良いか、ということになるのだった。比較のみで己のアイデンティティを築こう、という人が古今東西結構多いのだが、どうにも私はそういう風には行かないのだった。

とエラそうに書いているが、色々な面で色々比較すると落ちる可能性が高いから比較をしないようにしている、という非常に後ろ向きな解釈も成り立つわけである。まあ、どの解釈が正しいか、ということはあえて皆様にお任せしよう、オープンエンディングにしておこうではないか。

と書いている時点で肯定しているようなものだが。Ekkehard Ehlersの「A Life Without Fear」を聴く。私は彼の作品は強烈に純度の高い、音響作品しか聴いたことないのだが、このアルバムはどうも一味違う。ブルーズを解体して再構築して、というコンセプトのアルバムで、各種楽器やらヴォーカルまで入っている結構これまでの印象とは異なる作品である。しかし、だがしかし。各楽器の音色がやはりかなり加工されていて、分解されて、それを新たに組みなおしたような、そういう作品になっている。普通のブルージーなナンバーだなとか思ってたらよーく聴いていると変なループが延々バックで鳴っていたり、ひそやかなコラージュ感覚が全編に渡って施されている、非常に作りこまれたアルバムであることがわかる。しかし楽器の響きのみを再編集したようなコラージュナンバーでも、何故かよく分からないがどこかブルージーに感じられるのがとても面白い。変な電子音ばっか鳴っていてもどこか土臭い感じがしていて、これってもしかして凄いことなのかも知れない。ブルーズ再構築、といえばOn-U絡みのLittle Axeが思い出されたり、RecoilのBukkha Whiteの声を用いたナンバーなどが思い出されるが、全然違う手触りなのに出てくる音がブルージーって不思議だ。まあ、私はブルーズが何たるか、とか全然知らないのだけれども。

って私が持ってるのとジャケが違う!!