Blue Light

2006.05.27.sat @ CLUB SHAFT『スリーピース vol.1』PM 10:00 start /1,500yen(w/1drink)
☆楽しいディスクジョッキーの仲間たち
HAMA (GIFT GIMMICK)<楽しいHIP HOPとファンキーミュージック>
MASAMI (crispy , !?どっちがDOCCHI!?)<楽しいJAZZとソウルミュージック>
若王子 (ACT THE FOOL , 若王子プロダクション)<楽しいHOUSEと渋谷系ミュージック>
☆楽しいゲスト・ディスクジョッキーのお友だち
bop-gun (SUPER GOOD , GROOVE TRAIN)<3-pieceからの指令:ファンク及びJB禁止>
GASPIN' (DEJAVU SOUND CREW)<3-pieceからの指令:ハウス禁止>

☆楽しいライブ 〜 史上最低完成度対決
※ どっちらちんオーケストラ from !?どっちがDOCCHI!? (Unlimited Freak Out Sound)
   [ ちんくん(DJ) / とりやまくん(Vocal) / まさみくん(Produce) / and more? ]
※ はつ恋 (200% Discharged Soul Music)
   [ tdsgk(sticks) / 若王子(scum) / HAMA(scratch) ]

☆その他、お楽しみジャンケン大会等イベントあり☆

最近、『ひとり』という本を読んでいる。1999年の12月くらいに出た本で出てすぐに買った。とても面白くて色々な人に勧めまくった。色々な人に貸しまくった。この本を既に持っている人と出会い、すぐに仲良くなった。何回も何回もページをめくった、そんな本である。ひとり―ALTOGETHER ALONE


しかし私はどうにもモノの管理が悪い。引っ越す前、実家には本棚がいくらあっても収納できないほどの本があり、引っ越す際に念には念を入れて選別し、今の住まいに持ってきた。この本はなかった。持ってくる本の中に私が入れないわけがないのだが、なかった。もしかしたらどこかに紛れてしまい、引越しの際の大カオス祭りのどさくさでどっかに消えてしまったのだろう。

ということで久しくこの本の存在自体を忘れていたのだが、先述の既に持っていた友人が引越しをして、その新居を訪ねたら、夥しい本の山の一番上にこの本があって、雷に打たれたように昔の記憶が蘇ったのだった。そして粗方頭の中に入っているとはいえ、どうにもこうにもページをめくりたくなって、古本でまた手元に置くことにしたのだった。

まあ、ディスクガイドなのだが、一風変わっているのは「ひとり」感漂うディスクばかりが紹介されているのである。これがまた私が夢中で聴いていた音楽や、とても興味を持って探していたようなディスクばかりで非常におこがましいが、言ってしまえば「俺の本」なわけである。だから手元になくても良いかな、とか思ってしまった時期があったのかも知れない。何せ「俺の本」だからである。

しかし久々にページをめくると以前よりも聴いたことあるディスクも増え、また「自分だったらこれも追加するなあ」というディスクも頭に浮かび、とこの世知辛い日々の中でちょっと楽しい時間を過ごせたのだった。もう手放さない。たとえ一人でがっつんと音楽を聴くような時間が目に見えて減ってしまっている昨今の私だけれども、手放さないでおこう。結局音楽は何人かで聴く機会もあってそれは楽しいものなのだけれども、結局いかに自分に刻み込むか、ということは1人の作業である。聴く、ことは何人ででもできるけれども、刻む、ということは1人の問題である。そのことを思い出させてくれる本なのであった。

そういえば執筆者は小柳帝だったり鈴木惣一郎だったり福田敦雄だったりする。あまり気にしていなかったけれども。しっかし「Sweet」「Mild」「Bitter」と3ジャンルに分けて「ひとり音楽」が紹介されているのだけれども、圧倒的に「Bitter」ひとりのディスクが我が家には多いのは何故だ・・・。とまあ意外なことに気づいたりもできる稀有な一冊である。もしよろしかったら是非ご一読を。偏っていそうで実に視野の広い、素敵なディスクガイドである。

これもひとり音楽だなあ。Tom Verlaineの「Songs And Other Things」を聴く。歌入りソロの方である。彼の歌ものソロは87年の「Flashlight」しか聴いたことがない、という不敬も良いところの私である(これから勉強します)。このアルバムは歌入り、と言いながらもいきなりインストで始まったりしてやってくれるアルバムではある。「Around」にはドラムのBilly Ficcaが参加していたが、こちらには彼の姿はなくベースにはFred Smithがいる。ここら辺のTelevisionメンバーの使い分けが面白い。さて内容だが、一言で言えば地味である。逆にインストの「Around」の方が無次元音楽でインパクトはでかい。ありゃ、彼の歌もしっかり入っているのになあ、と不思議に思って聴いていたが、この感じは92年の「Television」の地味さに近い。さらに地味に感じられるのはRichard Lloydとの絡みがギターになく、Tomさんオンステージになっているからだろうか。だから最初はんー、と思ったのだった。しかし2回3回と聴くうちに、知らず知らずのうちに耳にしっかりと音が馴染んで染み込んでくるのがわかる、不思議なアルバムである。地味だから悪い、というのではなく、派手さはないながらも、そしてシンプルながらも深いのだ。ソリッドなバンドサウンドが楽しめ、またTomさんの変わらぬヴォーカルも、例のたゆたうギターも、どれもサウンドの一部として溶け込みながらも強烈に輝きを放っている。「地味」という言葉でつまらんアルバムかよ、とか思われたらちょっと私の落ち度だが、派手さはないが、という表現で考えてもらいたい。Patti Smith GroupのShannon氏のドラムスが渋い。というかこうして聴いてみると、今まで思いもしなかったが、Lou Reedのようだなあ、と思ったりした。