Go To Mexico


しかし休みだと暇じゃのう、どうしよう、とか言って1日家で内省していたりするのだが、かと言って仕事してる方が良いか、と問われれば断じてそうではないのである。

内省に次ぐ内省を2日間の休みの間にずっとしていたが、やはりどうにもこうにも身軽になりたい病、というものにとりつかれているようで、これももう持ってなくて良いかな、あ、これも良いかな、という風になってきてしまって怖い。何か最近どうにも全てがextremeな方向に進みがちなのはどうしたものか。まあ、断じて身辺整理、ということではないのだけれども。

とは言えCassandra Wilsonの「Thunderbird」なぞを聴いている。前作はなんか試聴したがピンと来なかったような。しかし新作はガツンと来た。前々作は大層愛聴したが、その作品とも結構傾向が異なるアルバムである。まず初っ端からサンプルのループが効いていてぶっ飛ばされる。かと言って無理して新しい感じです、ということでは断じてなく、しっかりと血肉化された、Cassandra Wilsonの音楽の一部、として鳴っているのですんなりと素直に格好良いのう、となる。T Bone Burnettのプロデュース技も冴えていて、各楽器の響きも各々しっかり鳴っているのに1つの音響に纏め上げてしまっているようなところとか、結構ハッとさせられる。まあやはり何と言ってもCassandra Wilsonのヴォーカルなんですけれどもね、一番ぐいぐい来るのは。まあ、それは当然のこととしても、決してバックとヴォーカル、というわかりやすい対比ではなく、両方ともしっかり拮抗している緊張感漂う傑作と言えるのではないだろうか。しかしBlue Noteからのリリースではあるが、もはやジャズヴォーカリスト、とは完全に呼べないような、どちらかと言えばレフトフィールドアメリカンミュージックである。またMarc Ribotのギターがたまらんのでそこらへんもポイント高し。