Fistful Of Love


さて気がつくともう5月。早いものである。

ということで内省的な休日の後にまた仕事しているわけであるが、5月と言えば5月病。もしかしたらこの変な内省モードは、5月病の先取り・・・?

Antony And The Johnsonsの「I Am A Bird Now」を聴く。こんなのとかThe Hafler TrioとかSub Rosaからの電子音楽ーノイズー雑音の2枚組コンピシリーズとかばっか聴いてるから内省モードなのか。UKではなんとマーキュリープライズまで取ってしまった、大変なアルバムである。かく言う私も昨年の初め頃に出会って以来、ずっと聴き続けている。まあ、Antonyさんのセクシュアリティにまつわる話は色々あるかとは思うが、そんなこととか何とかよりも、まずはこの声であろう。悲しみを湛えたような震える美声で切ないメロディを歌い上げられたりするので、最早何回胸が張り裂けそうになったことか。またその歌詞の内容も孤独感が色濃く滲み出ていたり、アウトサイダーとしての心境(と思しきもの)が歌い込まれたものなので、これまたもう大変である。またそれを支えるメロディアスな楽曲もどれも粒揃い、またRufus WainwrightとかBoy GeorgeとかDevendra BanhartとかLou Reedとか、ある種の方々にとっては(私とか)超豪華なゲスト陣もがっつり参加、と全てが幸せな融合を果たした結果纏め上げられたのがこの作品なのである。こういうのを永遠の名作と言わずになんと言うのか、私にはわからない。いつ聴いても、例え何百回目であったとしても変わらぬ感動を与えてくれるようなこの作品こそ、まさに名作なのだ。と私なぞは独断と偏見に基づいて断言したいところである。