Looking For A Place To Fall


畏れ多くも連休をとりあえずは暦どおりに休めそうな、大層なご身分の私であるが、何ら予定はない。それどころか、金もないしな、とずーっと河原を歩いたり、日がなDerek JarmanのDVD見たり、3桁で買ったレコードを片っ端から聴いたり、という感じの日々になりそうである。

それはそれで素敵だとは思うが、今日雑誌の広告で「GWこそ人生ゲーム!」みたいな感じの宣伝(いまや「人生ゲームEX」となって進化しているのには驚いたのだが)を見て、いやそれはないだろーと思うと同時に何か死にたい気分になったが、それは誰も責められないことであろう。

こういうの聴いて過ごします。Jeremy Gluckの「I Knew Buffalo Bill」を聴く。元Barracudasの彼のソロである。ずーっとamazonのカートに入りっぱなしであったが、やっと購入に踏み切ったんだった。86年のアルバムの再発なのであるが、こういうのをカルト名盤、というのかも知れない、とひしひしと感じる。Nikki SuddenにEpic SoundtracksにGun ClubのJeffrey Lee PierceにRowland Howardなのである、バックが。こんなとんでもないメンバーによるアルバムなのだから悪いわけがあろうかいやない!!バシンとくるドラムスに荒いアクースティックギター、という荒涼とした世界で唸りを挙げるスライドギター、そこにJeremy氏の時にソウルフルな、時にルーズな、時にダルなヴォーカルが乗っかる、という堪らない人には堪らない世界なのである。まあ、Nikki Suddenの同時期のアルバムに近い音の感じではある。それは当然であるが、ヴォーカルがそんなにルーズ過ぎないが故に聴きやすいかも知れない。時折急激に泣きメロ展開になるところもポイント高し。参加メンバー各々が個々の色を出していて、それでいて1つにまとまっている、という奇跡のような美味しいアルバム。しかし98年の再発時に既にSoundtracks氏とPierce氏は故人で、彼らに捧げられているのだが、この再発時のブックレットに寄稿しているSudden氏まで故人になってしまったなんて、何だか本当に辛いのだ。