If You Want Me To Stay


予期せぬことというものは本当に唐突に起こるものである。

昨夜風呂から上がったら眼鏡が真っ二つに割れていた。風呂に入るまでかけていた代物である。別に何が落ちてきたということもなく、誰がチョップしたということもないのに綺麗にレンズとレンズをつなぐ部分(つまり鼻の上に来る部分)から真っ二つに割れていた。ということで手許には「(つる+レンズ)×2」というものが残っただけであった。

思えばこれの前にかけていた眼鏡も突然壊れた。しかもバイト中、レジに立っている最中にぶっ壊れた。みるみるうちに壊れた。つるの部分とレンズの部分をつなぐ部分が折れ、レンズがボロっと落ちて最早それは眼鏡ではなくなった。お陰でそれ以降はレジに顔が付くのではないか、というくらいの距離まで顔を近づけて打つしかなかった、という陰惨な記憶がある。

それはそれとして。何とも真っ二つとは禍々しい。私の身に降りかかった呪いをこの眼鏡が防いだのだ、とかそういう頭おかしいことを考たりもしたが、これは何かの警告であろうか。100円だからってレコード買いすぎんなよ、とか。

そして今日携帯電話も壊れたのだった。二つ折りをパカっと開くとみるみるうちにバッテリーが減っていく。メール打ってる最中に画面が変わって、しかもメール残っていない、とかそれはもう、という状態が続いていたが、遂にバッテリーが充電されない、という具合に崩御なさったのであった。

思えばこれの前の前に使っていた携帯電話は二つ折りをつなぐヒンジ部が壊れ、通話の最中にみるみるうちに壊れていく、という壮絶な最期を遂げたのだった。また、それの次の携帯電話は電話が出来なくなる、という最早お前の正式名称は何だ、携帯「電話」だろうが、と叱責したくなるような体たらくで絶命した。など二つ折りの携帯電話には陰惨な記憶が付いてまわる。

それはそれとして。何とも禍々しい。実に禍々しい。これは私の身に降りかかった呪いをこの携帯電話が防いだのだ、とかそういう錯乱したことを考えたりもしたが、これは何かの警告だろうか。100円だからってレコード買いすぎんなよ、とか。NUDA飲みすぎんなよ、とか。

ということでこの2つの事態から教訓を読み取って自制した、とまとまればそれはそれは美しいことなのだが、現実はそう甘くない。100円レコードを我が盟友の分も含めて27枚も購入し、今日も今日とてNUDAを飲んだのだった。

明日から教訓を活かして生きていきたいものである、と言うのは容易いがそうまとめておこうではないか。Sly And The Family Stoneの「Different Strokes By Different Folks」を聴く。聴きまくる。これはSlyの原曲をリミックスというかカヴァーというか、とにかくオリジナルのマスターを活かしつつ参加者が好き勝手にやり倒す、という好企画盤である。最初は何か全体的に弱いんじゃないのー、などと嫌味な大人風の感想を抱いたが延々リピートで聴いていたらずっぽりと嵌っていた。嵌りすぎた。これはとんでもなく格好良い。Black Eyed PeasのWill.I.AmやらMaroon 5やらChuck DやらJohn MayerやらJanet Jackson(まあ、これは「Rhythm Nation」だから懐かしい、という感じも)やらThe RootsやらMobyやら、ととにかく様々な方々が様々にやっている。原曲を活かしている、というのがこのアルバムのポイントで、全く違和感なく様々な再構築ぶりを楽しめる、というありそうでなかった聴き方ができるのである。勿論、そう、最初の感想なぞはすっかり忘れて聴きまくっているのだった。まあ、2006年版Sly And The Family Stoneのアルバム、という感じではないにしても、単にトリビュート、っていうノリでは終わっていないところが素晴らしいのだ。