Lean On Me


10年ひとむかし、とはよく言ったものである。

私の場合基本的に成長がない人間だから10年前とは、左程やっていることに違いはないのだけれども、パソコンを使ってこのわたくしめが色々やるようになっている、とは夢にも思わなんだ。これが一番大きく変わった点であろうか。

例えば昔はレコードだのCDだのにしても、店頭にあるものが全て、だったのだが、今では店頭になくてもネットで・・・、とかなってしまうわけである。店頭至上主義の私ですらそうなのだから、大量にネタを買ったりするDJ諸氏に至ってはもう、ネットなしでは、というような状態であろう。

とこういうとりとめもないことをネット上で書いているのが何より、自分で自分に驚きである。日記すら宿題として出された日記をひいこらひいこらでっち上げていた私が、自発的に書いたとしてもリアル三日坊主だった私が、3年以上も露出狂のように人目に触れるところで様々なことを開陳、もしくは開帳するようにこのNag3で書いている、というのが何より自分で驚きである。

まあ果たして人目に触れるのが良い内容なのかどうなのか、という問題もあるのだが。意外に続けることができるのだなあ、という発見があったのもパソコンのお陰、と言えばお陰なのだろうか。

でもネットとか見てると本当に露出狂みたいな人っているよね、という何かとんでもない話を振ってみたところでAl Greenの「Take Me To The River」を聴く。2枚組のコンピである。ここ最近Al Greenをよく聴いている私ではあるが、実は本当に好きかも知れない。このアルバムはそんな彼の魅力をライヴも含めて余すところなく収めた好編集盤である。彼の声がまず良いのだ、って今更言われなくてもわかってるよ、的なことであろうが。彼の声は猫の毛を撫で上げるような(猫撫で声、ということではない)、そういう滑らかな、且つ密度の濃い声であって、その声であっつい歌詞を歌われたりすると、何とも言えぬ気持ちになるものだ。そして私が彼の音楽を好きな理由にドラムスの音、というのもあるかも知れない。私が聴いたことあるアルバムだけの話かな、とも思っていたのだが、このコンピを聴くとそうでもなく、全編非常にスコン、と抜けの良いドラムが鳴っていてとても気持ちよい。そこに絶妙にストリングスだのホーンだの彼の声だの様々なものが乗っかってくるのだから何ともたまらんのである。ソウル、とか一般的に言われるジャンルって全然自分は詳しくはないのだが、こういうのがソウル、って言うんだったら凄く好きだなあ、とこれまた小学生以下の感想を。そしてこれを聴いていると、初めて聴くのに聴いたことある曲ってのが頻出してきて面白い。あ、これTexasが、とかあ、UB40がやってたね、とかこれは勿論Talking Headsがね、とか色々発見である。