ガラスのジェネレーション

Moto Singles1980〜1989

ところで、日頃あんまり忙しい、とか時間ない、とか言ってると、クールじゃないね、ロックンロールじゃないねベイベー、とか思っているのでここには書いていないのだけれども。

実は冷静に、客観的になってみると、忙しいのかも知れないぜベイベー、という気持ちになってきてしまいああ、「クールの誕生」は夢のまた夢か、もしくは「The Death Of Cool」か、という気持ちになってしまう。ちなみにこれはKitchens Of Distinctionのサードアルバムのタイトルである。今我が家にはないのだけれども。セカンドだけはあるのだけれども。

話がずれた。何かそういうことをここでどっかんと表明してしまうのは、私が私自身に対してはなるべく戒めるようにしていたのだった。読んでる方にしてみれば、いや、そんなこと言われても、って感じだろうし、だったら何でお前こんな長文地獄のNag3なんか更新してんのや、っていう突っ込みが入るだろうし、何か限界低いんじゃないの、みたいに思われるのもアレだし、とそう、結構私、見栄っ張りなんだな、と新しい発見を今してみたくらいにして。

しかし今週は朝出勤してから夜帰宅するまで、本気でノンストップでどたばた何かしていたり、という感じの日々が連続していた。私の場合振り返ってみると「アレは忙しかった、と言えるのではないだろうか」ということがある、というかその時まで気づかないのだが、そう、今週は忙しかったのかも知れない。多分こういうことを繰り返しているうちに、死ぬ間際に、「嗚呼忙しい人生だったな」とか言ってしまう感じになってしまうのだろうか。

まあ、別にそれを自覚していようがしていなかろうが、別に関係はないのであるが、ちょっとね、もう若くはないので爆走しすぎ、にだけは気をつけておきたい。でもやっぱり私のことだから振り返ってみて「ああ、爆走しすぎだったなあ」ってことになるのだろうか。

これって、換言すれば手遅れってことになりかねないので注意せねば、と今日は覚書のようなところで佐野元春のシングルコンピ2枚組を聴く。あまり熱心なファンではないのだが、ここに収められている曲は全てシンガロングできてしまうくらい(注:流石にポエトリー・リーディングの奴は無理なんだが)のファンではある。彼は何が良いか、と言えばその「キザすぎるくらいにクールな感じ」なのである、極私的には。絶対他の人がこういう発言したり、こういう歌詞を歌ったりしたら何か苦笑だなあ、というものでも彼がやると非常に説得力のある佐野元春世界が出来上がっていくのだから凄い。初期の方の荒削りなヴォーカルも冗談みたいな韻の踏み方も、彼だからこそ「本気」の表れで凄く格好良い、というような解釈になってしまうのである。しかしそれは間違いではない、と思うのだ。音楽的には結構変遷を遂げているような感じは大きくあるのだけれども、根幹には彼の歌いたい世界、そしてそれを支える音、というのがあって、それは何ら揺らぐことなくそこにあるのだ。レゲーっぽくやっても、ラップのように(ま、歌い方の問題でそう聴こえるのかも知れないけれども)やっても、それは全て「彼」というものに飲み込まれていくのだった。しかし「Sugar Time」って名曲だな、とか「99 Blues」最高、とか「警告どおり計画どおり」はいまみちともたかとThe Redsのメンバーがやってて格好良いな、とか「約束の橋」マジ泣ける、とか言ってるうちにCD2枚あっという間に終わってるのには自分で驚いた。