Fan Dance Cha-Cha


そろそろ桜も咲くか、と言われているこの頃だが、まだまだこの東北の地は寒い。しかし如実に気温がほんわかしつつあるのは感じられるので、なるほど春、って奴かのう、と毎年毎年ではあるものの、1年前の記憶を頼りにそう感じていたりする日々である。

しかし、あったかくなったとは言え雨が最近多い、ように感じられる。別にまだ桜も咲いていないし、冷たい雨ではないので左程苦にはならない。ならないのであるが。だがしかし。

ご存知の通り私は先日右足の靭帯を痛めてしまったわけである。こう雨が降ると、酷く痛むのである。今日も痛い。多分これは前回の雨の日もちょいと痛かったこともあわせて考えると気圧のせいではないかと。

これでは節々が痛むから明日は雨だのう、とか言っているお年寄りと変わらない、というか寧ろそのものになってしまっているのではないか。なんかなあ、着実に年齢は重なっていくものだけれども、こういう分かりやすい「年齢」を感じさせることがあったりすると、もうちょい猶予は与えられないものなのだろうかのう、と項垂れつつ思うのであった。

Stephin Merrittの「Showtunes」を聴く。The Magnetic Fieldsの彼の芝居用の音楽を集めたアルバムである。演奏にも歌にも彼は参加しておらず、コンポーザーとしての作品集である。強烈なジャケが物語るように、どうも中国系の演劇プロデューサーの3作品につけた曲群のようである。だから、最初は何か怖いかもなあ、と思いつつ(店頭にはなかったので)注文したものであるが、恐る恐る聴いてみれば、いやいや、最高に楽しい音楽がぎゅっと詰まっていて嬉しくなってしまったのであった。勿論生楽器だけであり、歌うのも演劇の俳優さんではあるものの、ここで聴けるのはThe Magnetic Fieldsの曲と何ら違わぬ優れたポップソングなのである。確かに一瞬中国風のメロディなどがあったりもするのだが、結局印象に残るのは人懐っこい、そしてどことなく切なげなあのメロディなのであった。思えばThe Magnetic Fieldsのアルバム「i」も生楽器だけのアルバムであったし、その路線を拡大したのがこのアルバム、と言うことも出来るかもしれない。しかし朗々とこのメロディを歌い上げられたりすると、何か不思議な感動が沸きあがってきたりして、実に侮れない作品である。