Simply Beautiful

髪を切ったのだった。

別にこれは多くの方々にとっては普通のことであるが、私にとっては年に3回か4回、あるかないかの大イヴェントなのであった。今回は昨年の12月20日以来切っていなかったらしく、まあ、そりゃあ耳の掃除しようにも髪が邪魔だ、とかパーカーを着ると襟足の部分が浮いてしまってちくちくする、とかシャンプーがすぐなくなる、とか朝起きたときの寝癖が頭の側面に渦巻きが出来ているような、そういう状態になっている、というのも至極当然のことだったわけである。なるほど。

しかし今年の春は来るのが遅いね、と色々な方が話しているのを聞いて、まあこの間は雨だの雪だので寒かったけど、そんなことないんじゃねぇの、今日はあったかいし、とか思っていたが、今年の春は遅い!寒すぎる!!と短くなった髪の私は頭で感じているのであった。

タイミングを誤ったか。しかし前回が12月だった、というのもあるから間違ってはいない。まあ寒稽古、ということで斗いを続けたいところである。

早く暖かくならぬものか、と心の底では待ちわびつつ。Al Greenの「I'm Still In Love With You」を聴く。ああ遂に自分もこういうのを聴く日が来るようになる、とはJoy DivisionThe Jesus And Mary Chainにご執心だった中学生時分には想像もつかなかった。しかし、これが格好良いのである。多分私のような人間にんなこと言われなくてもわかってるよ、若しくは、おめえに言われたかねえよ、というリアクションが大半であろうが、実にはまってしまったのであった。甘く、されど芯の強い本当にソウルフルなヴォーカルと非常にタイトなリズムセクションが絡み合って、ついつい引き込まれてしまうのである。私、ソウル、とかいう音楽ジャンルには非常に疎いのでありますが、こういうのをポコッと突然聴くとあまりの格好良さにノックアウトされる。まさにその好例のアルバム。しかしよく聴いてみるとこのドラムってMassive Attackがサンプルしてるな、とかあ、これってArto Lindsayが、そして元The Beautiful SouthのBrianna Corriganがカヴァーしてる曲だな、とか色々発見があるのだった。まあ、出会うべくして出会ったアルバムだったのかも知れない。