In The Air

3月3日(金)にカフェ・サニードロップスでひな祭りDJをします。詳細はまた後日。

3月25日(土)にL'enferで「永久音楽激情Vol. 3」開催決定!詳細はまた後日。

今日は白石かずこと翠川敬基のライヴを見てきたのであった。

流石「詩のロック・スター」と謳われた彼女だけあって、齢70を超えるはずだが真っ赤なコートに激しい模様のスカート、そしてどこだかの国(名前を失念)で買ったという赤い大きなとんがった帽子を被って登場、というそれだけで圧倒されてしまったのであった。

リーディングもCDDedicated to the Late John Coltrane (ジョン・コルトレーンに捧ぐ)で聴けたものと同様、熱を帯びるにしたがって声もドンドン凄みを増していき、ある種シャーマニックな展開になるのであった。彼女の詩には固有名詞が多い。その固有名詞を織り交ぜつつも高く高く飛翔していく彼女の詩のリーディングに、しばし熱に浮かされたようになったのであった。

当然ながら翠川敬基のチェロもアルコもピチカートも使い分け、時に物悲しくメロディアスに、時に断片的に切り刻むように、と緩急豊かな演奏で、見事に白石かずこの詩と融合し、そして反発し、という大変スリリングな時間であった。

ということで大変感動したので柄にもなくサインを貰おうと思ったがタイミングを逸してしまい、まいっか、ということで共にライヴを鑑賞した同志( id:maco13th )とお茶を飲みに行ったのであった。

小一時間ほどしてもう一度会場に戻ると、サイン会も一段落していた彼女が談笑していたので、持参していたCDにサインを貰えた。このCDを持参したことが大分珍しかったらしく(「詩のお客さんは一杯いるけど、音楽の方のお客さんは少ないのよ」)、色々と、このCDの製作エピソードやら(「Pharaoh Sandersの音楽は好みじゃなかったから一緒には出来ないと思ったの」とか)、何やらを止まることを知らぬような勢いで話してくださった。挙句の果てには住所やら名前やら電話番号やらを彼女の手帳に書くように言われ(「何か良いミュージシャンとかいたら電話しますね。音楽の話でもしましょう」)、卒倒しそうになったりしたのだった。

と淡々と書いているが、あんなに緊張したのは久しぶりのことであった。歳は確かにとっていたとは言え、アイラインは黒く太く、爪はラメ入りの水色で輝き、流れるように淀みなく話す彼女は、やはり「詩のロックスター」なのであった。

ということでなんか落ち着かぬままなのであるが、Maximum Joyの「Unlimited ( 1979-1983 )」を聴く。The Pop GroupとGlaxo Babiesというブリストルの強烈な2バンドの元メンバーが結成したバンドのシングル3枚とアルバムの数曲をコンパイルした編集盤である。元Pop Groupと言えばRip, Rig And PanicとかPigbagとか、Pop Groupのファンク側面を拡大していったかのようなバンドが多いわけであるが、このMJもご他聞にもれずそういう感じである。既にシングルもアルバムもアナログで聴いていた私としては、目新しい音源はないものの、やはりCDで聴ける、というのが嬉しくて愛聴中である。ただ、こうして聴いてみると、決定的なパンチには若干欠けるように思われる。「Stretch」は別格であるが、何かもう一匙欲しいかなあ、と感じられるのであった。纏めて聴いてしまうと、逆にそういう印象もあるのだ。ま、なんだかんだ言っても好きなんですけどもね。ところで「Station M.X.J.Y.」紙ジャケ再発、ってどうなったのでしょうか・・・。