It's All Over Now, Baby Blue

雪は雪で嫌なものだが、雨も嫌なものだ。古傷が痛む(注:比喩表現ではない)し、と書いたところで若々しくないなあ、と自ら思った。

ところで最近色々新聞を読んでいると、世界の動きは目に入ってきてそれに関して色々思うこともある。また、日本の動きに関して色々思ったり、何とかせねば、とか思うのだけれども、いまいちそれについてこのNag3で論じる(というほど大袈裟なもんじゃなく、いちゃもん、程度のものだけれども)勢いにならないのは何故だろう、と思っていたのだった。どうでもいいことだぜ、なんてこれっぽっちも思っていないし、寧ろ何て世の中だ今は、という嘆きとか自分も含めて色々猛省せねば、という気にさせられることが日に日に増えているようにも思えるのだけれども、いまいち、そう「勢い」が足りないのう、と常々考えていたのだった。

それは多分私がダメだ、というのは大前提であるのだけれども、多分どうにも余裕がないのだろう、と思う。身近なことで精一杯、というような、そういう嘆かわしいことになっていて色々ちょっと遠いことまで思いを巡らすのがなかなか難しくなってしまっている、ということなのだろう。

ほら、辛い恋愛真っ最中の人に「イラクでは・・・」と説いてもいまいち薄いリアクションしか帰ってこなかったり、リストラされたばかりの人に「皇室典範ってさ・・・」と話題を振ってもそれどころではなく、と切り返されたり、ということなのである。身近なことから片をつけて行かないと手が思いが回らない、ということなのだろう。

ということで色々気になるニュースとか世の動きとか沢山あるのだけれども、私はまだまだ修行が浅いので、奪われた昼飯時間とかのことで精一杯なのであった。

いや、ね、この間なんかのブログで「個人的なことばっかりのブログが多い中で、このブログは・・・」という非常に大雑把な意見が書いてあるのを読んだので、ちょっと自分のことも鑑みて色々考えたのだよ。したら上記のような考えにたどり着いたのであった、ということを報告しただけなのであった。

まあ、別に忙しい、と体感はしていないものの、なかなか余裕がない中Bob Dylanの「Bob Dylan Live 1966: The "Royal Albert Hall" Concert」を聴いていた。遂に我が家ではオリジナルアルバムはまだまだ揃ってもいないというのにBootlegシリーズが全て揃ってしまったのだった。この異常な傾向は一体なんだ。教えを乞うている識者がよろしくないのか。まあ、それはそれとして、これは1枚目は弾き語り、2枚目はThe Hawksを従えたバンドセット、という構成になっている。まあ、いわくつきのライヴであって、当時のDylanにはファンも含めて敵が多数いた、ということがブックレットからは嫌という程読み取れるし、2枚目のバンドセットに於ける異常なファンの状態からもそれは大いに窺い知れるところである。まあ、それはそれとして1枚目の弾き語りのディスクがまずはとてもよろしい。Dylanが歌いたくてしょうがないんだよ俺はだからお前らも付き合えや、みたいな勢いが感じられるテンションの高い弾き語りである。歌メロは崩され(これは全く珍しくはないのだけれども)、曲は伸び、という俺様ライヴなのだが、それで全くヒドイことにならないのはやはりこの時期天才すぎたのか、彼は。そしてディスク2では豪放なバンド演奏と、これまた豪放な彼のヴォーカルによってガンガンに荒々しく飛ばしていくのであった。燃える。しかし最後の有名な観客とのやりとりの後にガーンと鳴らされる「Like A Rolling Stone」には何故か知らないが、泣かされる。何か変なカタルシスが得られてしまう。と同時にどこかこの曲って恨み節的な面もあるのかなあ、とか思ってしまって色々深いライヴなのであった。