Mind Your Own Business

例えばある物体Xとある物体Yが個別に存在しているときには別に何ら問題はないのに、合わさってしまうと危険なことになる、ということはよくある。トイレの洗剤の「まぜるな危険」というもの、あれが一番分かりやすいと思う。

私の場合「私の記憶力」と「ネット」、この組み合わせが「まぜるな危険」である。

私はどうでも良いことを意外に覚えている。盟友からは「一度聞いたことはいつまでも覚えている危険な男」という称号をいただいた。有難い・・・、のか。まあ、インパクトが強いことは良く覚えているだけで、そんなでもない、と思っているのだが。

それはそれとして。あ、でも、そう、どうでも良いことも良く覚えているし、ふと思い出すな確かに。今朝も「昔、1988年にUKでJohnny Cashトリビュート、なんてリリースされてたよなあ」と突然思い出し、ネットで調べるとタイトルが出てきた。で、海外の通販サイトに飛んでみたら盤質良好な感じで、しかもまあ結構お手ごろな価格で転がっている、というわけである。その後は、まあ、ええ。

危険、危険である。このタッグ、何とか解消したいが認知症は嫌である。まあ、早い話が自分をしっかり持て、ということなのだけれども、何かこう、「・・・やっと会えたね・・・」とかそういう馬鹿みたいな心理状態になって、つい、こうクリックを・・・。

あれか中毒患者の更正施設みたいなのに入らねばならぬのか。Delta 5の「Singles & Sessions 1979-81」を聴く。やってくれるなあKill Rock Stars。Liliput, Essential Logicに続きRough Tradeの女性ヴォーカルバンドコンピシリーズである。今回は1枚もの、とヴォリューム的に少なめであるが、まあ冷静に考えてラフトレからはシングル3枚リリースしただけだから仕方ないのかも知れない。唯一のアルバムはCharismaからだし。ということでタイトルどおりそのシングル3枚とスタジオライヴ、更にライヴ、というコンピの見本みたいな好編集盤である。しかし、久々にどばっとまとめて聴いたが、格好良い・・・。意外に淡々とミニマル、とも言えるパターンを繰り返すドラムとベースに、強烈に「あの時代」な女性ヴォーカル、そしてぎゃりぎゃり切り込んでくる鋭いギター、というたまらん音楽である。そりゃあ、若干のもたつきとかズレとか、テク的には上手ではないかも知れないけれども、気合いが感じられる音楽である。リーズ出身、と言えばGang Of Fourもそうなわけで、意外に音的には(アレほどとっつきやすくはないが)近いのかも知れないな、と意外な発見があった。しかしこの時代のこういうバンドにはどうしても抗えない魅力を感じてしまうのは相変わらずである。大体スタジオライヴの「Delta 5」という曲になど、思わず「うおおお」と叫んでしまったほどの熱狂振りだったし。まだまだ若いな、自分。