Medicine

今日2つ目。

私はいびきがうるさいらしい。否、のべつ幕なしにやかましいのではなく、飲酒時、極度の疲労時にはうるさいらしい。

と言われても私の関せぬところで勝手にいびきがlouderになっているのだから私の責任の外の話ではある。以前もう少し体重があったときは結構のべつ幕なしにやかましかったらしいのだが。まあ、その最悪の時期は脱したようなのでそれは喜ばしいことではある。

しかしいくら私の責任ではない、とは言えども同居人に迷惑をかけるのもアレなのでどうするべー、と薬局に行ってみたら意外に色々いびき対策グッズはある。そこで鼻に貼るテープを買ってみた次第である。

どういう仕組みなのか、と訝しがっていたが単に鼻の上部を上に引っ張り上げて鼻の通りをよくする、という至極primitiveなものだったので驚いた。しかし試しに飲酒時に貼ってから寝てみたところ、全くうるさくなかったらしくコロンブスの卵、というかゴルフボールにボコボコをつけた発明で一財産、とか色々感心したものだ。

しかしこの薬局ヴァージョンのテープは、高い。消耗品であるのに。使い捨て物であるのに。そんな毎晩毎晩痛飲しているわけでもないからそんなに貼る頻度は高くないが、結構高級品なのだなあ、セレブなものなのか、と悩ましく思っていたところ、100円ショップで発見して即座に購入した次第である。

これは良いね、安価だし。同じ効果が得られるし。とホクホクしていたが貼って寝た翌朝、鼻から剥がす段になって、剥がれない。このまま仕事か、と青ざめて頑張って剥がしてみたものの、これは罰ゲームか、と思わざるをえないほどの激痛を伴う作業であった。ガムテープを脛に貼って剥がすと痛い、というのは周知の事実ではあるが、それに似た痛みである。

いびき1つでここまで試行錯誤するのもアレだが、なかなかお得さを取るか、安寧さを取るか、という究極の選択が目の前に横たわっているのであった。

結局私はヘタレなので薬局ヴァージョンの方を大事に大事に大事に使っているのである。貼って寝たくないがために飲酒の機会が減ったり、という些か本末転倒な事態が起こる日も来るのであろうか。

まあ、それはないだろう。オチがないがSons And Daughtersの「The Repulsion Box」を聴く。Dominoから再リリースされた前ミニアルバムを結構愛聴していた私であるが、このファーストアルバムは今更聴いた。嗚呼、もっと早く聴いておれば・・・。大体にしてFranz Ferdinandのお気に入り、とかスコットランド出身、とかDominoです、とか色々余裕で行けるはずなのに、プロデュースはNick Caveでお馴染みVictor Van Vugt(Beth Ortonもやってたような)でレコーディングはもうじきなくなってしまう、という悲しいニュースの入ってきたあのConny Plankスタジオ、という渋い、渋すぎるデータばかりで面食らったものである。しかしそれとて彼らの音楽性を考えれば至極納得のいく話で、彼らにはどこか「明るくなりきれない」というか別に暗いのではないのだが、どこかドロっとした感覚があって、それが上手くこのファーストでは生かされているのだから大正解である。ギターのカッティングにしても女性ヴォーカルにしても男性ヴォーカルにしても切り込み方食い込み方に切羽詰ったものが感じられて、そこらへんがもうゾクゾクくるのであった。どっかーんとオーヴァーグラウンドなサクセスには至らないかも知れないが、このままコツコツと活動してもらって更なる凄みを是非纏って欲しいなあ、と切に願うのであった。ここ最近のイギリスの新人さんの躍進っぷりには目を見張るものがあるが、一連のそういう感じのバンドの中では一番しっくり来るのであった。