Let's Spend The Night Together

我が家系にはハゲはいない、というのが私の心の拠り所である。30代にもなるとそろそろ毛髪の量が気になり始めたりもするお年頃なのであるが、とりあえず魍魎、否、毛量は変わりないようでそれは良い。

思えばShriekbackのヴォーカルの方は後期、見事な坊主頭だったがインタヴューでそのことについて「仏教の教えからそのような頭に?」と訊かれたら、ムッとして「薄くなってきたから剃ってるんだ!」と答えていたのを妙に良く覚えている。私も薄くなったらそうするだろうなあ、と昔思っていたがまだ坊主に至らなくても良いようである。しかも私の坊主頭は似合わないだろうし。尼僧みたいになるのではないか、という下馬評であるし。

まあ、量は良いのだが白髪が増えてきたように感じられる。昔からそりゃあ1本や2本はあったが、ここ最近は目立つところにぴろっ、ぴろっ、と生えているのである。よれよれと。情けなく。これが分け目で隠れるか、と思いきや分け目を違うように設定してもよれよれとぴろっ、ぴろっ、と見えるから何か物悲しいものがある。

これが増えて白髪になればそれはそれで良い。ただ現状のぴろっ、ぴろっ、が何とも情けない。これは過渡期ということで耐えねばならぬのか。どっちかにしてもらいたいものよのう、と思う2月の日であった。

David Bowieの「Aladdin Sane」を聴く。グラム期真っ最中、「Ziggy Stardust」の勢いそのままにツアー先のアメリカも含む場所でツアーメンバーによってレコーディングされたアルバムである。ということで後にも先にもこんなにラフなつくりのアルバムってなかったんじゃないか、と思うくらいの作品である。ただ、それが良いか悪いかといえば、ノっているバンドと彼の状態を上手く捉えていて実に痛快なロックンロールアルバムになっているのだから恐れ入る。David Bowieという人はやはりそこらへんの時の見極め方がすごい、というかタイミングを逃さないのだなあ、と今更ながら痛感する。Bo Diddley風ビートまで飛び出すのには驚くが、それも全く違和感はなく、至極当然、という感じで収まっていて面白い。まあ、ちょっとラフすぎるかな、という曲もあるが、それとてBowieの一側面なのだから、楽しめる、って本当に駄目なファンの見本みたいな感想を・・・。この後の「Diamond Dogs」が同じ傾向ながらもどことなく終末的匂いがするのに対してここではまだまだやるぜ、といった不気味な前進の姿勢が感じられて、それがまた「らしい」のか「らしくない」のかは不明だがその時のBowieを切り取っていることに間違いはない。