Sound And Vision

豪雪地帯に比べればまだまだ可愛いものだけれども、我が街にもがっつりと雪が降ったのだった。

通勤時間が上手く行けば倍増、最悪の場合4倍、という状態になってしまう交通事情は、それはそれは落ちるものであるが、ここ最近は道路の凍結が一番の困りものである。

それは滑る、とかそういう問題ではなく(否、勿論それはあるのだが、それ以上に)、道路がボコボコに、つまり強烈に凹凸がある状態になってしまう、というのがここ最近嫌である。

昨日も酷かった。帰り道はがががががががと揺れまくりで、流石の車載CDプレイヤーも時折飛んでしまうほどの道をえっちらおっちら帰ったのであるが、ガムを噛んでいたらあまりにも振動が壮絶で舌を噛んでしまったりした。

と軽く書けるからまだ良いものの、これで舌を噛み切ったりしてしまったらそれはもう大変なわけで、最早自分は敵に捕らえられた忍者か、という状態である。明らかに変死、というか怪死である。勝手に走行中の車内で血だらけで死んでいることになるわけであるから。ライヴドア関連会社の社長以上の怪死っぷりではないか。

とかずーっと妄想しながらがががががががががとえっちらおっちら帰宅したのが昨日の話である。今朝もががががががが、といつもの4倍の時間をかけて通勤したものである。最早こうなると勤務地に着くのが目的なのか、通勤すること自体が目的なのかわからなくなってきて、今日はもう行かないで帰るかー、という気持ちを抑えるのに大分往生したものである。

かように自らの怠惰っぷりに理由をつけるのは大いに簡単なことである。行かないで帰るかー、の気持ちはもしかしたら車内でDavid Bowieの「Low」なぞ聴いて異常に盛り上がってしまったが故なのかも知れない。ベルリン3部作の第1作目である。Brian Enoの絡みが何かとクローズアップされたり、The CureのRobert Smith氏の「Bowieはこれを出した後、死んでしまえば良かったのだ」発言でもお馴染みである。しかし奴はとんでもないこと言ったもんだなあ、と今更ながら思ったりもしたのだった。さて、前にも書いたことがあるような気もするが、これはよく実験的なアルバム、と評されている作品である。だがしかし、そんなことはない。インスト曲は多いが、ヴォーカル入りのナンバーは他の作品と比較したとしても粒揃いで、かなり過剰に突っ走っているような感は否めない(そこが良い)のだが、実にキャッチーな曲ばかりで親しみやすい。彼のヴォーカルの高音部と低音部の2極分化が激しく見られるのもこのアルバムならではの魅力だと思う。まあ、確かにインスト曲はどこか沈鬱な感じはしないでもないが、それとて凄く良いアクセントになっていてアルバム全体にメリハリが付いているのでついつい聴きたくなってしまうのである。って言うか、やっぱこのジャケだよなー、とかのろのろと進む車の中で十二分に堪能してしまったのであった。