Principle Of Machine

そういえば昨日の日記で言及した「欲張り天丼」の店であるが、それを私が最終的にチョイスするまでには大いに逡巡したものである。まあ、主に価格に関して、なのであるが、そこでふと気になる言葉が。

カキフライがメニューにあったのだが、

「あなたのカキフライに対する人生観を変えます」

とのことであった。最初はなるほどなーそこまで美味いのかー!とか思ったのだが、いや、待てよ、どういう意味だ?となったのであった。

「私は人生を○○なもので●●なものだと思っている。しかし私はカキフライに向かう時にはいつも人生は△△で▲▲なものだと思うのだ」と常日頃考えている人ならば、すんなりとこの文言が入ってくるのであろうが、そうじゃない人の方が圧倒的に世の中多いだろうから、どうにもこうにもこの文言は非常に謎めいたものに思えるのだった。

でも、もしかしたらそうじゃないのかも知れない。私が今ではカキフライが食べられなくなってしまったから、上のように勝手に断定しているだけであって、もしかしたら世の中の人々は「カキフライに対する人生観」をしっかりと持って、カキフライを食べる際には己の人生に思いを馳せて食べることになるのかも知れない。深い。そしてそれを変えてしまおう、というのだから上記の店もかなり深い。何せカキフライを通して間接的に人生観を変えてしまう、ということなのだから最早ただ事では済まされないはずである。私も何か、カキを食べることはできないので「焼き鳥に対する人生観」とか「タコ刺しに対する人生観」を持とうか、と思ったり思わなかったり。

ただもしかしたら「あなたのカキフライ観を変えます」ってことを言いたかったのかなあ、上の文言は・・・?Vola And The Oriental Machineの「Waiting For My Food」を聴く。元Number Girl、元Zazen Boysのドラムス、アヒトイナザワ氏がギターヴォーカルのバンドである。他のメンバーもsyrup 16gとかdownyとかのメンバーがいて、これは結構豪華な顔ぶれによるバンドである、って全然聴いたことないんですけど、上の2バンドは。ともかくこれはデビュー盤なのであるが、インタヴューでFranz Ferdinandみたいな方向性は大歓迎、みたいなことを言っていたので、どれどれ、と思ったが、なるほどディスコのりのベース、鋭いカッティングのギターの絡み、など頷ける音である。しかし。だがしかし。このアルバムからは「そうそうインディーズのバンドってこういう感じだったなあ・・・」という何故か懐古モードに私を入らせる音が聴こえてくるのである。それは偏にアヒト氏のヴォーカルスタイルによるものが大きいと思う。また歌詞の内容も不条理ネタものもあり、そこらへんも嗚呼、ナゴムにいそうだなあ・・・、とかあーローザ・ルクセンブルグが聴きたいなあ・・・、とかいう感想を抱かせる原因であろう。曲もポップだし、このクセのあるヴォーカルも結構クセになるし、今後も楽しみなバンドではある。でも、そう、何故か80年代日本のインディーズ、な感じが不思議なことに私に付きまとって離れないのであった。