Nearly Lost You

私は結構肩凝り人間なのである。

以前、何かつらいので足裏マッサージに行ったら結構良くなった、という経験をここに記した記憶があるのだが、やはりどうにも寒くなると肩が凝ったりするのでここ最近また辛いのう、と思っていたところである。

そんな時にピップエレキバンのネックレス様のものがあることを知り、まあ、してみたわけである。黒いチューブ状のものを首の後ろでパチッとはめるわけである。日ごろネックレスなど首にする習慣のない私としてはなかなか珍しいことなので、おお何かお洒落っぽくね?とか思った瞬間もあったが、絶対にそんなことはない、と気づくまでそう時間はかからなかった。

まあ、それは置いておいて。これが。凄く良いのである。とくに左肩がちょっと痛かったのだが、とりあえずまったく痛みはない。そして何か肩が楽である。これは凄いことなのではないか、原理はよくわからないけれども。

今まで何か肩が辛くて引っ込み思案だった僕。でもこれのお陰で社交的になり、遂に念願の彼女ができました!と一昔前の「ブルワーカー」みたいな雑誌広告をでっち上げたくなるくらい快適である、って本当私は阿呆か。

いや、でもこの原理を発見した人って本当に凄いなあ。まあ、それはこのネックレス状のものだけではなく、ノーマルのピップエレキバン系のものを作った人も凄い、ということなのだけれども。

と快適な日なのであるが、それと同時に、嗚呼ピップエレキバンのお世話になるとは自分ここまで来たか、という一抹の寂しさも拭えぬままScreaming Treesの「Sweet Oblivion」を聴く。92年のアルバムでプロデュースはDon Flemingである。私はメンバーのMark Laneganのソロは何故か好きで持っているのだが、真面目にScreaming Treesを聴くのは、恥ずかしながら初めてである。SST時代のも聴かないとなあ。写真を見ると、TADほどではないにしても皆様なかなかに巨漢さんでいらっしゃって、ド迫力である。音の方も当時は「グランジ」として十把一絡げにされてしまっていた感じ、といえばそういう感じの音ではある。ただ、どうにもこうにも渋い。渋すぎる。オーソドックスなアメリカンシンガーソングライターものをバンドサウンドでやっているような、そういう地にどっかりと足の着いた感じの曲ばかりで安心して聴けるのである。良く言えば落ち着いているのだが、悪く言ってしまえば地味と言うことなのだろうか。しかしこの地味さ、クセになるのである。ギターも大きい音ではあるものの、うるせー、という感じの爆音では決してないし、破綻はない。そこに面白さを感じるかどうかが分かれ目なのだろうが、私は最早保守的な部類の人間なので大いに楽しんで聴いているのだった。こういうひたひたとマイナーコードで盛り上がるメロディには無条件で弱いのだ。