Every Angel

どうやら最近、「世の中お金ではない」という論調で皆安心して盛り上がっているような感じで面白いのだが、果たして、その後に「分かってるけど。でもさ・・・」と付け加えざるを得ないように思うのだった。

年金から保険料は取られるわ、年金は少なくなるわ、給料は下がるわ、石油は値段が上がるわ、世の中暮らしていくには銭がいる。誰だ「世の中お金ではない」とか言って平和にまとめようとしている奴らは?なんかのプロパガンダか?これから来るべき大増税時代にも「まあ、世の中お金ではないですから」とか言って全て丸く収めようとする前触れなのか?

「世の中お金です」と言い切っていた人が逮捕されて「ほら、昔話にあるようにね、お金ばっかじゃいけないんですよ」と子供達に教えるならわかるが、良い歳した大人が良い歳した大人たちに教訓めいたように語っているのを読んだり聞いたりすると、それだけで何かきな臭いのだった。

と、無駄に当り散らしたくなっているのは疲れているからか。All About Eveのべスト盤を聴く。やれThe Missionだ、それThe Sisters Of Mercyだ、と盛り上がっていた中学時代に何故か聴き逃していたので大いに嬉しいブックオフでの収穫。Juliana嬢のヴォーカルが本当に凛としていて素晴らしい。真っ直ぐで伸びやかだなあ、と素直に感動させられる。曲的には大いにメロディアスで時に「ムード歌謡・・・?」的な哀愁すぎるメロディが出てきたりするところが好き嫌いの分かれるところだろうか。ヴォーカルがかなり前面に出てきているせいか、バッキングの印象はちょっと薄いが、やはりギターワークはかなり細やかで、こういうフレーズたまらんのう、というツボをおしまくる感じで嬉しい。メンバーチェンジ後のThe Churchのギタリストが加入した後には更に軽やかに、時にThe Pretendersを思い出させたりもするような感じになっていて面白い。しかし、これ、多感な中学時代に出会っていたらもう絶対抜け出せなかっただろうなあ、上記2バンドのように。幸か不幸か、31歳の私は興奮すると同時に意外に冷静に「良いね」とか言っているのであった。