I Bet You Look Good On The Dancefloor

ふと気づくと新聞の死亡欄をよく読んだり、追悼記事をじっくりと熟読している自分に気づくことはないだろうか。

ここ最近、私はぼんやりと新聞を読んでいると、必ず「〜さんを偲ぶ」とかいう記事でずっと目を留めている自分に気づいたりする。

それとは別に例えば老後の夫婦を描いたほのぼの漫画とか物語とか、そういうのを読むと、昔は別に何だどこが面白いのや、としか思わなかったものだが、今では何かじんわり、と来て涙が出てきそうになっている自分を発見したりする。

これは別に精神的にどうこう、と言う問題ではなく、歳取ったんだろうなあ。例えば89年頃に良く聴いていたレコードとかを引っ張り出して聴いて、嗚呼17年前かー待てよ今から17年後に自分は何しているのだろうか、否その前にこの世にいるのか、この世はあるのか、とか色々考えるとまた歳取ったなあ、と感じさせられるわけである。

んー黄昏な気分であるがThe Arctic Monkeysの「Whatever People Say I Am, That's What I'm Not」を聴く。デビューアルバムである。最初のシングルがどっかんどっかん色んなところで過剰に盛り上がっていたようなので、またぞろハイプな、とか最初は思ったものだが実はそのシングルがとても格好良く(ジャケも)、いつの間にか私の中でも期待の存在になっていたのであった。で、このDominoからのアルバムであるが、小気味良いギターのカッティングとシャープなリズム隊、となかなかの頑張りである。近いと言えばFranz Ferdinandに近い。ただFFがギラギラと自信満々な感じの音だとすれば、こちらのAMはまだまだ素朴で手探りをしている感じである。実際のところFFもAMもどういう感じなのかはわからないが、音から受ける印象としてはそんな感じである。であるからして、良いアルバムなのだけれども、もう1つ何かピリッとしたものが欲しいなあ、と思うことも事実ではある。ただ、考えてみればダレる曲なぞ1曲もなく、またアレンジもギター中心ながら色々凝っていて十分なデビュー盤と言えば確かにそうではある。こういうジャキジャキしたギターの新人バンドはそれだけでも応援する価値大アリ、というものである。