Sugar Man

昨夜は実は『ブコウスキー:オールド・パンク』という映画を見てきたのだった。

まあ、映画というか彼の生き様を写真、インタヴュー、証言、ヴィデオなどをもとに辿る、というドキュメンタリーのようなものだった。変に「こっちの方向に持っていこう」的な意図も感じられず、また変な再現ドラマみたいなものもなく、淡々としているが故にしっかりと分かりやすく面白かった。

しかし思えば私は映画は見るがヴィデオを家で見る、ということはほとんどしない。せっかくここんとこ面白そうなヴィデオ(『ヘカテ』とか)が我が家に入荷したにもかかわらず、見ていない。

まあ平日は何かどたばたとしていて夜落ち着いて見るかー、という気にならず、休日はどれヴィデオ見るかな、あ、洗濯物干さなきゃ、掃除しなきゃ、お買い物しなきゃ、人に会わなきゃ、で終わってしまい見ず仕舞い、ということが繰り返されているからだと思われる。

何か家でヴィデオ、ということはどうしても優先順位が低い。これは多分個人差が大きいと思うが私の中では優先順位がかなり低い。だから、強制されて映画を見ることしかできない映画館で見る方が、割り切った形になっていて良いのだろう、と自分では思う。まあそもそも映画って映画館で見てその面白さが100%わかるようなものだと思うし。

思えばレンタルヴィデオも利用したことのない、レンタルレコード以外は利用したことのない私なのであった。Zazen Boysの「III」を聴く。私はZazen Boysが苦手である。それは今もあまり変わらないが、昨日衝動買いしてしまった。それは偏に「Friday Night」のPVが格好良かったからに他ならない。あと、まあ曲も比較的素直でPVとマッチしていた、というのもある。ただあくまでこの曲が入っているからこのアルバム買っても良いな、と勢いで購入してしまったので別にこのアルバムより前にも、このアルバムより先のことにもあまり興味はないのであった。でも一応ファースト、セカンドは聴いたのだった。その上でこりゃ苦手だ、と思っていたのだが、このアルバムではその最大の苦手な部分だった、「ギクシャク感」が良い感じにこなれて来たように思う。今まではそのギクシャクをそのままポン、と提示していただけだったのかも知れないけれど、今回はそのギクシャク感をきちんと飲み込む消化の力を感じる。ギクシャクだけどまとまっているような。ちょうどこの間聴いたCaptain Beefheartの時にも感じたが、そのギクシャクを飲み込んで纏め上げる、そういうところが私はどうも好きなので、今作は結構良いな、と思う。何よりドラムスが良い。音が良い。手数は多いのにミニマルに展開するところとかが凄く良い。まるでドラムスがベースラインを担当しているかのように聴こえる部分などは興奮させられる。ただ、何と言うか、ちょっとこの3枚目で飲み込む力が増したのは良いのだが、既聴感が結構あるのが惜しい。更なる次の一手を期待したいところである。そう、もっと好きになりたいのだよ私は!