American Flag

ということで昨日はぺペロンチーノを作って食べたのだった。

ここで、「何だお前はパスタしか食ってないのかこのNag3にはパスタの話ばっかじゃねえか」とお思いの諸氏のために説明すると、勿論色々食べているが、私が料理を作ると95%はパスタなのであった。2006年の抱負、なぞこれっぽっちもないわけだが、唯一「おかずを上手に作れるようになりたい」というものはある。そして難しいだろうけれども「料理教室に通う」という密かな夢もある。2006年はこんな感じでちっこく生きて行きたい。

そう、でぺペロンチーノである。通常のぺペロンチーノはもう片目つぶっても作れるくらいに慣れた(当たり前だ)ので、今回は蛸を投入してみた。「シェフの気まぐれぺペロンチーノ 蛸のスライスを添えて」というメニューである。俺疲れてんな、今日。

しかしどうにも私は不慣れなことが後に控えていると余裕がなくなるタイプらしく、昨日は朝起きて、出かけて、買い物をして、とかしている間もずーっと蛸のスライスの仕方ばっかり考えていた。頭の部分はどうなんだろう、とか足の先の細い部分をスライスしたら何か逆に刺さって食べづらいんじゃないか、とか。もしかしてこういうところはA型っぽいのか(注:昨夜識者に色々血液型についてご教授いただいたのだった)。

しかし心配無用。意外にスライシングもあっさりサクサク進み、いつもよりちょっと気持ち多めにオリーヴオイルを投入して作ってみたら大層美味に出来上がって感動した。まさに「シェフの気まぐれぺペロンチーノ 蛸のスライスを添えて」が完成したわけである、って別にもう良いですね、はい。

ただ味付けはしっかり、と思っていつもの気分で塩を振ったのだが、蛸からかなりの塩分が出てきて、かなり塩味の効いた一品になってしまったのだけは想定外であった。全ての事象を「想定内」と言えるくらいまで今年は極めたいところである。

もう何だ、楽しみはお料理食べたり作ったり、くらいしか残されていないような、そんな2006年であるが、Cat Powerの「Moon Pix」とか聴いていた。実は前作「You Are Free」とか聴くの忘れて3年くらい経ってしまっているので新譜と同時に購入しよう、と思っているのだが、それに向けてのモティヴェーションを高めるべくCat Power強化週間がスタートしたのであった。コレは98年のアルバムでバックを務めるはDirty Threeという怒涛の1枚であって、当然ながらオーストラリア録音である。しかし久々に改めて聴くと、この音楽は不思議である。非常にモノトナスな淡々とした音楽である。またChaun嬢のヴォーカルの声質も可愛いような歳取ってるような、不思議なくぐもった声であるので、何か音楽自体が全て1枚の薄い膜を通して見えているような、それでいて微妙に見えない部分があるような、そういう感じを受ける。だがしかし、そのような世界であるからこそ、「え、これで終わりかよ?」みたいな歌のフレーズのまとめ方であるとかコード展開のヴァリエーションであるとかそういう細かいところに耳が行ってついつい聴き込んでしまうのであった。何か精神的に辛い時期を乗り越えて作られたアルバムらしいのだが、そう、何か強さとは表面的なものではないのだ、ということも理解させられるような、そういうある意味パワフルな作品。