Dada X

ということでここで度々話題になっていたipod nanoであるが、遂に我が家にやってきたのであった。

実にここに至るまで約2ヶ月ほど悩みに悩み、且つCDポータブルプレイヤーの利便性も発見してしまったり、で実に長い道のりを経たのだが、遂に踏み切ったのであった。

しかもヨ○バシカメラでは色々付属品もセットになったパックがあり、かなり割安なので清水の舞台で背中を押された感じになってしまって、2ヶ月ほど悩んだ衝動買い、という全く新しいタイプの買い方をかました昨日であった。

まあ私の場合、車での移動が圧倒的に多いのであまり怒涛の如くの利用、とまでは至らないかも知れないが、それでも何か聴きながらだと我が家から駅までの道のりも意外に遠く感じられない、とか酒を飲んでから電車を待つ間音楽を聴きながらだと辛くない、とか色々な場面に於いて「音楽があった方が良いな」ということがあるので、利用の頻度に対して、有り難味を感じる割合はかなり高いのでは、ということは元は取れるな、とか思わず一文でずばーと書いてしまうくらいの勢いがあったので買っても良かろう、と思ったわけであった。

ただ、CDポータブルプレイヤーの利便性というのも少なからずあり、最大の長所はすぐにその時聴きたいのが聴ける、と言う点である。ipodさんの場合だとまずitunesに読み込ませてから、というプロセスを経ねばならぬので、そこらへんのラグをどう埋めるかが今後の鍵となるであろう。

現に今日実際使ってみたのだが、今まで適当にitunesに入れていた曲をそのままipodに移動させてしまったがために、Noel AkchoteだのHeiner GoebbelsだのLeonard Cohenだのを歩きながら聴く、という羽目になってしまったりしたのであった。

しかし何より小さいのでかさばらずに持ち歩ける、というのが便利である。今までのCDポータブルプレイヤーの一番の難点は「かさばる」という点である、と感じていた私にとってはぴったりのものである。

しかし思えば2005年はCDが焼けるようになるわ、DVDが家で見られるようになるは、そしてトドメでipod nanoだわ、と結構目まぐるしく我が家の文明開化が進んだ1年でもあった。こうなってくると何か生き急いでるんじゃないか自分、と思ってしまうところがまだまだ自分の中での文明開化が進んでいないことを窺わせてしまって非常に情けない次第である。

とは言え今日はレコードを聴く。Nurse With Woundの80年リリース、「Merzbild Schwet」を聴く。これは4枚目か。A面1曲B面1曲だが、かなりのお腹一杯具合を感じることのできるアルバムである。初期の彼ら特有の若干グロテスクなジャケットに収められたこの音は、何と言うか一言で言ってしまえば非常に気色の悪い音楽である。それはコラージュが結構ビートと呼応する瞬間と全くばらばらな瞬間がほぼランダムで出てくるところとか、日本語のコラージュがあまりにも馬鹿馬鹿しいのに、それが執拗に出てきて何かディレイがかかったり、とか細かな部分を挙げていくこともできるが、この全体を通して何を「軸」に据えて聴いてよいのかわからない、その拠り所のなさ加減に由来するものだ、と思う。でも逆に言えば非常に新鮮な聴き方ができるわけであって、多分私はそこら辺に惹かれてUnited Dairiesのレコードを漁っていたりするのであろう。来年は落ち着きたいものだが、それは多分叶わぬ夢なのであった。