Gloria

休みなので、街に出てみた。

とは言え、私ももうそんなに若い年齢でもないので1人で街をぶらぶら、ということではなくお買い物があったのでそれを果たしに、ということで出かけた。

物凄い人の量が通りを移動しており、なんだなんだ、と思ったが単に人が歩いている、というだけのことであった。それにしてもこのような大量の人々が1つの通りを動くだけでも度迫力であって圧倒された。

お買い物の店は2軒あって、通りを挟んで向かい合っているのだが、そのどちらの店も物凄い人の量でこんな風にして人の間をすり抜けながらお買い物しなければいけないのも久しぶりだなあ、と思っていた。

しかしどうもこんな日に1人でぽやん、と歩いていたらアンケートの女性に声をかけられた。可愛い子だったので話を聞いてあげようか、とも思ったが「独身の方ですよね?」という問いかけにより私はそのアンケートの対象者ではない、ということが判明したのでその場でその子とは別れることになった。運命に引き裂かれてしまった私たち。君が声をかけてくれるのがもう少し早かったらね、もしかしたら運命は同じ道を辿ったかもしれないのに。

と妄想率高めなのは何か眠いからか。しかし確かにこういう日に背中丸めて1人で歩いていたら、そう見えるのも仕方ないのかも知れない。それとも何だ、私の目が何か獲物を狙うかの如くぎらついていたとでも言うのだろうか。

とあれこれ思い巡らしながらPatti Smithの「Horses」デラックスエディションを聴く。実を言うと私は彼女のことが大好きなのにこのアルバムを真面目に聴いたことがなかったのであった。で、良い機会なのでこの2枚組を入手したのであった。1枚はオリジナル、もう1枚は2005年にこのアルバムをTom VerlainやらFleaなどを従えてライヴ演奏したもの、というなかなか面白い企画盤である。普通は別に1枚もので良いな、となってしまうのだが2005年演奏版が凄く面白そうな気がしたのでこういう事態に至ったのであった。やはりこれはPatti Smithが2005年の今でも現役バリバリでしかも良い活動をしている、ということが大きな原因であろう。こういう存在は稀有だなあ、と思う。アルバム自体は「詩人のデビュー盤です」みたいな感じが大いにして、ちょっと言葉がわからないと・・・、という面はあるものの、瑞々しいし、何よりPattiさんの声が本当に若々しくてとんがっていて、こちらをやり込めてやろう、というような勢いがあるのが興奮ものである。ボートラの「My Generation」の大暴走ぶりも何故かカタルシス。2005年ライヴは不思議なことに30年経っても変わらぬ彼女の声や、ダイナミックな演奏も相まってかなりの充実具合。変にアイコンに祭り上げられてしまうのはちょっと嫌なものだけれども、この2枚のディスクから感じられる彼女の変わらぬカリスマ性ではしょうがないかもなあ、と思わせられてしまうのであった。