The Whole Of The Moon

まあ、私は病気なのである。

と書き出したところで大体の人が「ああやっぱり」という感じで読み始めていたらかなり私としては悲しいのだが、そう病気である。

様々な病気を患っているが、ここ最近酷いのは「二度寝病」だろうか。これは本当に酷い。社会生活ができない。気温が下がってくるとこの症状は現れてくる。いくら前の晩早く寝たところで意味はない。目覚ましを1つ1つしっかり止めてから寝るのだから、我ながら感心する。

これは身体の問題、というよりはやる気、とか気合いの問題がかなり大きいように思える。出勤しなければならないときに限ってこの病気は現れるのであるからして。

かと言って転職したら治るか、と思えばそうでもないような気がするのがこの病気の酷いところである。肩凝りなどは低反発枕を導入して以来悩まされることはなくなったが、快眠すぎて逆に新たな病を呼び起こすとは想定外である。

という下らない話。The Waterboysの1981年から1990年までのベストを聴く。私が慣れ親しんでいるのは「Fisherman's Blues」という作品なのでその前後がすっぽり抜け落ちているのであった。これはいかん、と思いブックオフでゲッツしたのである。あ、余談ではあるが「ブックオフ病」の方が深刻かも知れぬ。こうして聴いてみると、初期アルバム3枚は、骨太な、一歩間違えればスタジアムロック的な、そういう音作りが成されており、80年代っぽい、と皆が感じる音のような気もする。The World Partyの彼もキーボードを弾いているわけであるし。それが88年の「Fisherman's Blues」で大変身し、その後迷走、という形になるような気がする。迷走とは言えども悪い意味ではなく、探検、というか冒険、と言うか。ただ、どの時代を取り出してみても、不思議なことにスケールが大きい。最初期の素朴なアレンジの曲でも独特の大らかさがあって、これは不思議である。そしてどこをどう切ってもロマンティックである。これは気難しく頑固、という噂のMike Scott氏の志向なのであろう。あんまりこういう感じのする音楽って最近ないかもなあ、とちょっとのすたる爺になってしまった寒い朝である。